売主の担保責任テキスト

売主の担保責任とは、売買の目的物に欠陥等がある場合、売主の故意、過失に関係なく、売主が責任を負います。

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 全部他人物売買の担保責任

 全部他人物売買の担保責任とは

売主であるAが買主であるBとの間で、甲建物の売買契約を締結しました。ところが、甲建物は、Aのものではなく、第三者であるCのものでした。

これを他人物売買といいます。

そして、甲建物の全部をCが所有しているので、全部他人物売買といいます。他人物の売買契約自体は、無効ではなく、有効に成立します。

しかし、AがCの甲建物について売買契約を締結したのだから、Aは、甲建物をCから取得して、Bに移転する義務があります。Aが、甲建物をCから取得できた場合、何も問題は生じません。

しかし、Aが、甲建物をCから取得することができず、Bに甲建物の所有権を移転することができなかった場合、全部他人物売買の担保責任の問題が生じてきます。つまり、Aは、故意、過失に関係なく責任を負うことになります。

【補足】

  1. 他人物売買において、売主が、第三者から目的物を取得する契約を締結した時に、買主に所有権を移転することになります。

  2. 他人物売買において、真の所有者である第三者(C)が、後日、他人物売買契約を追認すると、民法116条の類推適用により、他人物売買契約時にさかのぼって、買主に所有権が移転されることになります。

買主による責任追及

買主が善意(他人物売買であることを知らなかった)の場合、買主は、売主に対して、契約解除、損害賠償請求をすることができます。

なお、買主が悪意(他人物売買であることを知っていた)の場合、買主は、売主に対して、契約解除をすることができますが、損害賠償請求をすることはできません。

【補足】

  1. 買主が善意の場合、契約解除、損害賠償請求をすることができます。

  2. 買主が悪意の場合、契約解除をすることができます。

  3. 買主が、売主に対して責任追及できる期間の制限はありません

善意の売主からの契約解除

売主が善意の場合、売主は、善意の買主に対して、損害賠償をして、契約解除をすることができます

また、売主が善意の場合、売主は、悪意の買主に対して、権利移転をできなかったことを通知して、契約解除をすることができます

なお、買主が悪意の場合には、善意の売主は、損害賠償をしなくてもよいです。

【補足】

善意の売主を保護する観点から、上記の規定が設けられています。買主が悪意の場合には、善意の売主は、損害賠償をしなくてもよいです。

一部他人物売買の担保責任

一部他人物売買の担保責任とは

売主であるAが買主であるBとの間で、甲土地の売買契約を締結しました。ところが、甲土地の一部は、Aのものではなく、第三者であるCのものでした。

その甲土地の一部をCが所有しているので、一部他人物売買といいます。

AがBとの間で売買契約を締結したのだから、Aは、甲土地の一部をCから取得して、Bに移転する義務があります。Aが、甲土地の一部をCから取得できた場合、何も問題は生じません。

しかし、Aが、甲土地の一部をCから取得することができず、Bに甲土地の一部の所有権を移転することができなかった場合、一部他人物売買の担保責任の問題が生じてきます。つまり、Aは、故意、過失に関係なく責任を負うことになります。

【補足】

甲土地のうち、Aが所有している部分については、Bに移転できますが、Cが所有している部分について、移転できない場合に、Aが、担保責任を負うことになります。

買主による責任追及

買主が善意の場合、買主は、売主に対して、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求をすることができます。

なお、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかった場合、契約を解除することができます。売買契約を締結した目的を達成することができないような場合とは、Cが所有している部分を取得できないと最初から分かっていれば、売買契約を締結しなかった場合のことです。

また、買主が悪意の場合、買主は、売主に対して、代金減額請求をすることができます。

【補足】

Aは、最初から、Cが所有している部分を売却できないとは思っておらず、売買代金もCの部分も含めて決定しています。よって、悪意の買主でも、代金減額請求が認められています。

買主が責任追及できる期間

買主が善意の場合、買主が売主に責任追及できる期間は、Cの部分を取得できない事実を知った時から1年以内です。なお、買主が悪意の場合、売買契約締結時から1年以内です。

 

数量指示売買における数量不足等の場合の担保責任

数量指示売買における数量不足等の場合の担保責任とは

売主であるAが買主であるBとの間で、土地の売買契約を締結しました。その土地の売買代金は、1平方メートル当たりの単価が20万円で、面積が50平方メートルとして計算し、1,000万円となりました。

しかし、その土地を実測したところ、40平方メートルしかなかった場合、売主であるAは、故意、過失に関係なく、Bに対して責任を負うことになります。

【補足】

数量指示売買とは、1平方メートル当たりの単価や面積を表示し、それを乗じることにより売買代金が定められた売買のことです。

買主による責任追及

買主が善意の場合、買主は、売主に対して、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求をすることができます。なお、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかった場合、契約解除ができます。

また、買主が悪意の場合、買主は、売主に対して、責任追及することができません

 

買主が責任追及できる期間

買主が善意の場合、買主が売主に責任追及できる期間は、数量が不足していた事実を知った時から1年以内です。

 

地上権等による制限がある場合の担保責任

地上権等による制限がある場合の担保責任とは

売主であるAが買主であるBとの間で、土地の売買契約を締結しました。しかし、その土地にはCのための地上権が設定されていた。このため、Bは、その土地上に建物を建てることができなかった。

この場合、売主であるAは、故意、過失に関係なく、Bに対して責任を負うことになります。

【補足】

  1. 売買契約の目的物上に第三者のための地上権等があり、買主が、目的物の全部を自由に使うことができない場合、売主は、担保責任を負うことになります。なお、地上権等の「等」には、留置権、質権も含まれます。
  2. 売買契約の目的物上に、買主に対抗できる要件(登記や借地借家法の対抗要件も含まれる)を備えている、第三者のための賃借権がある場合においても、売主は、担保責任を負うことになります。

買主による責任追及

買主が善意の場合、買主は、売主に対して、契約解除、損害賠償請求をすることができます。なお、地上権等が設定されていることにより、買主が、売買契約の目的を達成することができない場合に限り、契約解除ができます。

例えば、Bが、土地を購入した目的が、建物を建てるためのような場合、契約解除ができます。また、買主が悪意の場合、買主は、売主に対して、責任追及することができません。

 

買主が責任追及できる期間

買主が善意の場合、買主が売主に責任追及できる期間は、事実を知った時から1年以内です。

 

抵当権や先取特権が実行された場合の担保責任

抵当権や先取特権が実行された場合の担保責任とは

Aが、Cからお金を借りるために、A所有の土地にCのために抵当権を設定し、登記をしている。その後、Aは、その土地をBに売却しました。抵当権が設定されている土地を取得したBは、この時点(抵当権が設定されている不動産を取得した時点)では、何の問題も生じません。

しかし、Aが、Cにお金を返済しない場合、Cが、抵当権を実行(その土地を競売にかける)すると、B所有の土地ではなくなります。この場合、Aは、故意、過失に関係なく、担保責任を負うことになります。

【補足】

  1. 抵当権が設定されている土地を取得したBは、自己の所有権を保存するために、AがCから借りているお金をCに返済することができます。Bが、Cに返済した場合、Bは、Aに対して支出した費用の返還と損害賠償を請求することができます。

    この場合、Bが悪意か善意かは関係ありません

  2. 抵当権が設定され、登記がなされている土地を取得したBは、抵当権消滅請求をすることができます。なお、Bは、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その土地の代金を支払う必要はありません。

    この場合において、Aは、Bに対して、遅滞なく、抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができます。Bが、遅滞なく、抵当権消滅請求の手続をしなければ、代金を拒絶することができません。

    なお、Bが悪意か善意かは関係ありません。また、買い受けた不動産に質権や先取特権の登記がある場合においても、抵当権消滅請求の手続が終わるまで代金の支払を拒絶することができます。

  3. 上記の規定については、先取特権の場合でも適用されます。

買主による責任追及

買主が善意、悪意に関係なく、買主は、売主に対して、契約解除、損害賠償請求をすることができます。なお、買主が、売主に対して責任追及できる期間の制限はありません

 

瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは

Aが、自己所有の建物をBに売却しました。その建物に隠れた瑕疵があった。この場合、Aは、故意、過失に関係なく、担保責任を負うことになります。

【補足】

  1. 瑕疵とは、物理的な欠陥や法律的な欠陥等のことです。物理的な欠陥とは、建物の雨漏りや家屋のシロアリ被害等のことです。法律的な瑕疵とは、土地が都市計画道路の予定地だったり建築基準法上の建築制限があったりしたなど、その土地に建物を建てるのに制限がかかったりする場合等のことです。

  2. 隠れた瑕疵の「隠れた」とは、瑕疵の事実について、買主が善意無過失であるということです。例えば、建物の雨漏りがあることを、買主が知っていた又は注意をしていたら知り得た場合には、隠れた瑕疵に該当しないので、売主は、瑕疵担保責任を負いません。

  3. 善意無過失の買主が、購入した不動産等に瑕疵があった場合、売主は、故意、過失に関係なく、担保責任を負うことになります。

買主による責任追及

買主が善意無過失の場合、買主は、売主に対して、契約解除、損害賠償請求をすることができます。なお、瑕疵により売買契約を締結した目的を達成することができないような場合に、契約を解除することができます。

したがって、些細な瑕疵の場合には、契約を解除することができません。

 

買主が責任追及できる期間

善意無過失の買主が売主に責任追及できる期間は、事実を知った時から1年以内です。

なお、損害賠償請求権は、引渡し時から、10年経過すると時効により消滅します。

【補足】

例えば、建物の引渡しを受けてから12年後に、善意無過失の買主が、瑕疵を発見した。この場合、買主は、売主に対して、損害賠償を請求することができません。なぜなら、引渡しの時から10年が経過しているからです。

担保責任の特約

民法上、売主と買主との間で、上記の担保責任を負わない旨の特約を定めることができます。

ただし、売主が、知りながら買主に告げなかった事実または売主が自ら第三者のために設定したり、第三者に譲り渡した権利については、担保責任を免れることができません。

【補足】

例えば、売主と買主との間で、瑕疵担保責任を負わない旨の特約を定めたとしても、売主が、建物の瑕疵の事実を知りながら、買主に売却したときには、売主は、その特約に反して、担保責任を負うことになります。

テキストを読み終えた後は、穴埋め問題を解きましょう。

また、穴埋め問題を解き終えた後は、一問一答を解きましょう。

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