請負契約テキスト

2018年度版フルセット教材は、完売のため、販売を終了させて頂きます。

2018年度版直前答練は、引き続き、販売しております。なお、数に限りがございますので、予めご了承ください。

宅建士試験予想問題

請負契約とは

請負契約とは、当事者の一方(請負人)がある仕事を完成することを約束し、相手方(注文者)が、その仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約束することによって、その効力が生じる諾成契約のことです。なお、請負契約は、有償契約・双務契約です。

【補足】

  1. 例えば、「建物を建築して下さい」と依頼する場合等が請負契約となります。

  2. 請負人は、仕事を完成させる義務があります。そして、完成した物を注文者に引き渡す義務があります。例えば、注文者から、期日が指定されている場合、その期日までに、仕事を完成させる義務があります。また、請負人は、自分自身で、仕事を完成させなくてもよく、自分自身が責任を負うことで、下請人に仕事を任せることもできます。

報酬と引渡し義務の関係

注文者が支払う報酬と請負人が完成した仕事の目的物を引き渡す義務は、原則、同時履行の関係です

【補足】

  1. 請負人は、仕事を完成させる義務があります。この時点では、注文者は、報酬を支払う必要がありません。請負人が、仕事を完成させた物を引き渡す時点で、注文者は、報酬を支払う必要があります。

  2. 上記の規定に反する特約を定めることができます。

完成した目的物の所有権

請負によって完成した建物の所有権の帰属については、請負人と注文者との間に特約があれば、その特約に従います。

特約がない場合には、判例によって、以下のように、区別されています。なお、その建物を完成させ、その建物を注文者に引き渡した場合、その建物の所有権は、注文者に帰属することになります。

  1. 注文者が、材料の全部又は主要な部分を供給した場合、その建物の所有権は、注文者に帰属します。
  2. 請負人が、材料の全部又は主要な部分を供給した場合、その建物の所有権は、請負人に帰属します。ただし、注文者が、建物の建築を完成する前に、請負人に対して、請負代金の全額(一定の場合には、大半)を支払った場合等には、その建物の所有権は、その建物の建築完成と同時に、注文者に帰属します。

【補足】

請負人は、仕事を完成させ、引渡しが完了して報酬をもらえるのが原則です。しかし、請負人の仕事完成後、その建物を引き渡す前に、注文者が、報酬を支払えないと請負人が知った場合、仕事を完成させた意味がなくなります。

よって、報酬の担保として、その建物の所有権が、請負人に帰属することになります。ただし、請負人の仕事完成前に、注文者が、請負人に、報酬の全額を支払った場合、請負人は報酬を受取っているので、担保は不要となります。よって、その建物の所有権は、注文者に帰属します。

請負人の担保責任

請負人が、仕事を完成させたが、その完成させた目的物に瑕疵があった場合、注文者は、請負人に対して、担保責任を追及することができます。担保責任として、瑕疵修補請求、損害賠償、契約解除の3種類があります。

【補足】

  1. 請負人の担保責任は、売買の売主の担保責任と同様に、無過失責任です。
  2. また、請負の担保責任は、隠れた瑕疵に限定されませんが、売買の担保責任は、隠れた瑕疵の場合のみです。
  3. 請負の担保責任の場合、注文者は、善意無過失でなくてもいいのです。
  4. 請負人の担保責任が生じるのは、仕事完成後です。

1.瑕疵修補請求

請負人が完成させた仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができます。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、その瑕疵の修補を請求することができません。

【補足】

例えば、請負人が、建物を建築し、注文者に引き渡したが、雨漏りしていた場合、注文者は、請負人に対して、「その瑕疵部分を修理してくれ」と請求することができます。ただし、その瑕疵自体が、些細なものであるが、相当な費用がかかってしまうと、請負人にとって、相当な責任を負うことになるため、瑕疵の修補を請求することができません。

請負人から建物の引渡しを受けた注文者が、その建物を第三者に売却しても、注文者は、請負人に対し、瑕疵修補請求権を有することになります。その第三者は、第三者から見れば売主である注文者に対して担保責任を追及することができます。

2.損害賠償請求

注文者は、請負人に対して、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができます。なお、注文者の損害賠償請求権と請負人の報酬請求権とは、同時履行の関係です。また、両債権は、相殺することも可能です。

【補足】

  1. 注文者は、修理を請求するのではなく、損害賠償を請求することができます。また、修理を請求した上で、損害賠償を請求することもできます。
  2. 注文者は、請負人が、損害賠償を支払うまで、報酬を支払う必要はありません。なぜなら、同時履行の関係だからです。

3.契約解除

請負人が完成させた仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達成することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができます。ただし、建物その他の土地の工作物については、契約の解除をすることができません。

【補足】

  1. 建物等の土地の工作物について、例えば、請負人が、時間をかけて建物を建築したが、契約が解除されることによって、その建物が不要となり、その建物を取り壊す必要が生じ、社会的な損失が生じます。したがって、建物等については、契約の解除をすることができません。
  2. 建物については、注文者にとって、重大な瑕疵があったとしても、契約を解除することができませんので、この場合、注文者は、その建物を建替えるだけの費用相当額の損害賠償の請求をすることができます

4.請負人の担保責任の存続期間

注文者が、瑕疵修補請求、損害賠償請求、契約解除の担保責任を追及できる期間は、仕事の目的物を引き渡した時から1年以内にしなければなりません。なお、目的物の引渡しを必要としない場合は、仕事が終了した時から1年以内にしなければなりません。

ただし、建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵については、引渡しの後5年間、担保責任を負うことになります。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造等の工作物については、10年間、担保責任を負うことになります。

工作物が瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から1年以内に、担保責任を追及する必要があります。

【補足】

  1. 原則、1年以内に担保責任を追及する必要があります。特則として、木造の建物等については、引渡し後、5年間(特約により、最大、10年)となり、コンクリート造の建物等については、引渡し後、10年間となります。ただ、瑕疵によって、建物が滅失又は損傷したときには、滅失又は損傷の時から1年以内となります。
  2. 建物等については、注文者が、瑕疵を発見しにくいと想定して5年又は10年となっています。ただし、建物が滅失又は損傷したときは、注文者が、瑕疵を発見したと想定して、1年以内となります。
  3. 除斥期間経過前に相殺適状になっていた場合、除斥期間が経過したとしても、請負契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を自働債権とし請負人の報酬請求権を受働債権として相殺することができます

5.請負人の担保責任の特約

注文者と請負人との間で担保責任を負わない旨の特約を定めることができ、その特約は、有効です。ただし、その特約を定めた場合でも、請負人が、瑕疵の事実を知っており、そのことを注文者に告げずに、引渡し等をした場合には、請負人は、担保責任を負うことになります。

 

6.請負人の担保責任の不適用

仕事の目的物の瑕疵が、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じたときは、請負人は、担保責任を負うことはありません。ただし、請負人が、その材料又は指図が不適当であることを知っているにもかかわらず、告げなかったときは、請負人は、担保責任を負うことになります。

 

解除権

注文者は、請負人が仕事を完成していない間であれば、いつでも、損害を賠償して、契約を解除することができます。

【補足】

  1. 建物の建築の依頼を受けた請負人が、建築中であれば、注文者は、いつでも、損害を賠償して契約を解除することができます。なお、例えば、建物の建築の工事内容が可分であって、完成した部分のみで、注文者等に利益があるときは、完成した部分についての契約は解除できず、未完成部分についてのみ、契約を解除することができます。担保責任と違って、建物でも解除できます。
  2. 請負人が、仕事を完成していれば、建物を引き渡していない場合においても、契約を解除することができません。
  3. 請負人からは、原則、解除することができません。なお、債務不履行がある場合や注文者が破産手続開始の決定を受けた場合には、契約解除をすることができます。

注文者が破産手続開始の決定を受けた場合の解除

注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は注文者の破産管財人は、契約の解除をすることができます。この場合において、請負人は、既にした仕事の報酬及び一定の費用について、破産財団の配当に加入することができます

また、注文者の破産管財人が契約を解除した場合に限り、請負人は、損害賠償の請求をすることができます。この場合においても、請負人は、その損害賠償について、破産財団の配当に加入することができます。

【補足】

契約解除された場合、既にした報酬等については、破産債権として、配当を受けることになります。

テキストを読み終えた後は、穴埋め問題を解きましょう。

また、穴埋め問題を解き終えた後は、一問一答を解きましょう。

宅建士教材販売

お問い合わせ

宅建士合格広場から販売している教材に関するお問い合わせは、こちらからお願い致します。    

≫お問い合わせフォームでのお問い合わせ・ご相談

お問い合わせページへ

≫販売教材に関するよくある質問を掲載しております。

よくある質問ページへ

宅建教材