監督処分テキスト

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 宅建士合格広場教材

宅建業者に対する監督処分

宅建業法の規定に違反せず、適正な宅建業務を行うことができるように、行政指導として宅建業者への指導、助言等があり、違反行為をした宅建業者は、行政処分として、指示処分、業務停止処分、免許取消処分を受けます。

指示処分

指示処分とは、「それはダメ、こうしなさい」と命じることです。なお、指示処分は、「しなければならない(義務)」ではなく、「することができる(任意)」です。

指示処分を受けた宅建業者が、その指示に従わなかった場合、業務停止処分の対象となります。また、情状が、特に重い場合、免許取消処分の対象となります。

 

指示処分の対象となる主な行為とは

宅建業者が、下記の事由に該当した場合、免許権者等は、その宅建業者に対し、指示処分をすることができます。

  1. 業務に関し取引の関係者に損害を与えたとき、又は損害を与えるおそれが大であるとき
  2. 業務に関し取引の公正を害する行為をしたとき、又は取引の公正を害するおそれが大であるとき
  3. 業務に関し他の法令に違反し、宅建業者として不適当であると認められるとき。
  4. 宅地建物取引士が、事務禁止処分、登録消除処分を受けた場合において、宅建業者の責めに帰すべき理由があるとき
  5. 宅建業法の規定に違反したとき

誰が指示処分をすることができるのか

  1. 免許権者
  2. ある都道府県で、指示処分の対象となる行為を行った場合の、ある都道府県の知事

【補足】

例えば、甲県知事の免許を受けている宅建業者が、乙県内で指示処分の対象となる行為を行った場合、免許権者である甲県知事のみならず、乙県知事も、その宅建業者に対して指示処分をすることができます。

業務停止処分

業務停止処分とは、「1年以内の期間を定めて、業務の全部又は一部の停止」を命じることです。なお、業務停止処分は、「しなければならない(義務)」ではなく、「することができる(任意)」です。

 

業務停止処分の対象となる主な行為とは

  1. 指示処分に違反したとき。
  2. 業務に関し他の法令に違反し、宅建業者として不適当であると認められるとき。
  3. 宅地建物取引士が、事務禁止処分、登録消除処分を受けた場合において、宅建業者の責めに帰すべき理由があるとき
  4. 営業保証金を供託した旨の届出をすることなく、事業を開始したとき
  5. 2週間以内に営業保証金の補充供託をしなかったとき。
  6. 事務所を増設したが、増設日から2週間以内に弁済業務保証金分担金を納付しなかったとき。
  7. 保証協会の社員としての地位を失ったが、その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなかったとき。
  8. 保証協会から還付充当金の納付の通知を受け、通知後2週間以内に、還付充当金を納付しなかったとき。
  9. 保証協会から特別弁済業務保証金分担金の納付の通知を受け、通知後1カ月以内に、特別弁済業務保証金分担金を納付しなかったとき。
  10. 専任の宅地建物取引士を設置する必要があるのに設置しなかったとき。
  11. 重要事項の説明義務に違反したとき。35条書面を交付して説明しなかったとき。
  12. 守秘義務違反をしたとき。
  13. 37条書面を交付しなかったとき。
  14. 手付金等の保全措置を講じなかったとき。
  15. 報酬額の制限に違反したとき。
  16. 不当に高額の報酬を要求したとき。
  17. 手付の貸与等により、契約の締結を誘引したとき。
  18. 不当な履行遅延の禁止の規定に違反したとき。
  19. 不当な勧誘等の禁止の規定に違反したとき。
  20. 従業者証明書を携帯させずに、従業者を業務に従事させたとき。
  21. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含みます)が業務の停止をしようとするとき以前5年以内に宅建業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
  22. 法人である場合において、その役員又は政令で定める使用人のうちに業務の停止をしようとするとき以前5年以内に宅建業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至ったとき。
  23. 個人である場合において、政令で定める使用人のうちに業務の停止をしようとするとき以前5年以内に宅建業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至ったとき。
  24. 住宅販売瑕疵担保保証金を供託しなかったとき、不足している住宅販売瑕疵担保保証金を供託しなかったとき。

誰が業務停止処分をすることができるのか

  1. 免許権者
  2. ある都道府県で、業務停止処分の対象となる行為を行った場合の、ある都道府県の知事

免許取消処分

免許取消処分とは、免許を取り消すことです。

なお、免許取消処分の対象となる行為には、必ず免許を取り消さなければならない必要的免許取消事由と免許を取り消すことができる任意的免許取消事由があります。

 

必要的免許取消事由(必ず、免許を取り消さなければならない事由)

  1. 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないものになったとき。
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者になったとき。
  3. 宅建業法違反や傷害罪、脅迫罪、背任罪、暴行罪等により罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることができなくなった日から5年を経過しない者になったとき
  4. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者になったとき
  5. 暴力団員等がその事業活動を支配する者であったとき
  6. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含みます)が上記1から4のいずれかに該当するに至ったとき。
  7. 宅建業者が、法人である場合において、その役員又は政令で定める使用人が上記1から4のいずれかに該当するに至ったとき。
  8. 宅建業者が、個人である場合において、政令で定める使用人が上記1から4のいずれかに該当するに至ったとき。
  9. 宅建業者が、免許替えをしなければならないのに、新たに、免許替えによる免許を受けていないことが判明したとき
  10. 免許を受けてから1年以内に事業を開始せず、又は、引き続いて1年以上事業を休止したとき
  11. 破産手続開始の決定、法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由による解散、廃業の事実があったが、廃業等の届出がないことが判明したとき
  12. 不正の手段により免許を受けたとき。
  13. 業務停止処分事由に該当し、情状が特に重いとき。又は、業務停止処分に違反したとき。

任意的免許取消事由(免許を取り消すことができる事由)

  1. 免許を受けた日から3カ月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない宅建業者が、その催告が到達した日から1カ月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないとき。
  2. 免許を受けた宅建業者が、その免許に付された条件に違反したとき。
  3. 免許を受けた宅建業者の事務所の所在地を確知できないとき、又はその免許を受けた宅建業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在)を確知できないときは、官報又は当該都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から30日を経過しても、その宅建業者から申出がないとき。

誰が免許取消処分をすることができるのか

免許権者のみ

 

指導、助言等

国土交通大臣は、全ての宅建業者に対して、都道府県知事は、その都道府県の区域内で宅建業を営む宅建業者に対して、宅建業の適正な運営を確保し、又は宅建業の健全な発達を図るため、必要な指導、助言及び勧告をすることができます。

 

報告、検査

国土交通大臣は、宅建業を営むすべての者に対して、都道府県知事は、その都道府県の区域内で宅建業を営む者に対して、宅建業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その業務について必要な報告を求め、又はその職員に事務所その他その業務を行なう場所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができます。

なお、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければなりません。

 

宅地建物取引士等に対する監督処分

宅地建物取引士に対しては、行政処分として、指示処分、事務禁止処分、登録消除処分があります。

指示処分

指示処分の対象となる行為とは

  1. 宅建業者に自己が専任の宅地建物取引士として従事している事務所以外の事務所の専任の宅地建物取引士である旨の表示をすることを許し、その宅建業者がその旨の表示をしたとき。
  2. 他人に自己の名義の使用を許し、その他人が、その名義を使用して宅地建物取引士である旨の表示をしたとき。
  3. 宅地建物取引士として行う事務に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

誰が指示処分をすることができるのか

  1. 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が上記「指示処分の対象となる行為」の事由に該当する場合においては、その宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができます。
  2. 都道府県知事は、その都道府県の区域内において、他の都道府県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、上記「指示処分の対象となる行為」の事由に該当する場合においては、その宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができます。

事務禁止処分

事務禁止処分とは、1年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務(重要事項の説明、35条書面記名押印、37条書面記名押印)を行うことを禁止することです。なお、事務禁止処分は、「しなければならない(義務)」ではなく、「することができる(任意)」です。

 

事務禁止処分の対象となる行為とは

  1. 宅地建物取引士が、上記「指示処分の対象事由」に該当するとき
  2. 宅地建物取引士が、指示処分に従わないとき

誰が事務禁止処分をすることができるのか

指示処分と同じです。

 

登録消除処分

登録消除処分とは、登録を抹消(消除)することです。なお、登録消除処分は、「しなければならない(義務)」です。宅地建物取引士に対する登録消除処分(下記、登録消除処分の対象となる行為の1~4)と宅地建物取引士資格者に対する登録消除処分(下記、登録消除処分の対象となる行為の5~7)があります。

 

登録消除処分の対象となる行為とは

  1. 宅地建物取引士が、宅地建物取引士のテキストの『登録の基準(登録の欠格要件)の1~7』までの事由に該当するに至ったとき。
  2. 宅地建物取引士が、不正の手段により登録を受けたとき。
  3. 宅地建物取引士が、不正の手段により宅地建物取引士証の交付を受けたとき。
  4. 宅地建物取引士が、事務禁止処分の対象事由に該当し、情状が特に重いとき、又は事務禁止処分に違反したとき
  5. 宅地建物取引士資格者(登録を受けているが、宅地建物取引士証の交付を受けていない者)が、宅地建物取引士のテキストの『登録の基準(登録の欠格要件)の1~7』までの事由に該当するに至ったとき。
  6. 宅地建物取引士資格者が、不正の手段により登録を受けたとき。
  7. 宅地建物取引士資格者が、宅地建物取引士としてすべき事務を行い、情状が特に重いとき。

誰が登録消除処分をすることができるのか

登録をしている都道府県知事のみです。指示処分、事務禁止処分とは異なります。

 

報告、検査

国土交通大臣は、すべての宅地建物取引士に対して、都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士及びその都道府県の区域内でその事務を行う宅地建物取引士に対して、宅地建物取引士の事務の適正な遂行を確保するため必要があると認めるときは、その事務について必要な報告を求めることができます。

 

監督処分の手続

聴聞

上記のように、やってはいけない行為をした場合には、監督処分を行います。しかし、やってはいけない行為をした宅建業者や宅地建物取引士等にも最後のチャンスを与える必要があります。これが、聴聞制度です。具体的には、釈明や証拠の提出の機会を与えていきます。そして、聴聞が終わった後でなければ、監督処分ができません。

  1. 聴聞を行うに当たっては、聴聞期日の1週間前までに、一定事項を書面で通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければなりません。
  2. 聴聞は、公開の場で行う必要があります。誰も知らない密室で行ってはいけません。
  3. 本人のみならず、代理人が聴聞の場に出頭することができます。
  4. 聴聞の場所等を通知、公示をしているが、本人や代理人が、聴聞の期日に、正当理由なく、出頭せず、かつ、陳述書及び証拠書類等(出頭に代える方法)を提出しない場合等には、これらの者に対し、改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができます
  5. 上記「免許取消処分の任意的免許取消事由の3」の場合等には、聴聞は不要となります。

公告等

  1. 宅建業者に対する業務停止処分、免許取消処分(免許取消処分の任意的免許取消事由の3を除きます)をした場合、国土交通大臣にあっては、官報で、都道府県知事にあっては、公報により、処分をした旨を公告する必要があります。なお、宅建業者に対する指示処分については、公告する必要がありません。また、宅地建物取引士等に対する監督処分についても、公告する必要はありません。
  2. 都道府県知事は、指示処分又は業務停止処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、指示処分等を受けた宅建業者が国土交通大臣の免許を受けたものであるときは、国土交通大臣に報告し、指示処分等を受けた宅建業者が他の都道府県知事の免許を受けたものであるときは、当該他の都道府県知事に通知しなければなりません。
  3. 都道府県知事は、指示処分又は事務禁止処分をしたときは、遅滞なく、その処分した旨をその宅地建物取引士の登録をしている都道府県知事に通知しなければなりません。
  4. 国土交通大臣は、指示処分、業務停止処分、免許取消処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、当該処分を受けた宅建業者の事務所の所在地を管轄する都道府県知事に通知しなければなりません。

テキストを読み終えた後は、穴埋め問題を解きましょう。

また、穴埋め問題を解き終えた後は、一問一答を解きましょう。

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