媒介契約テキスト

媒介、代理の依頼を受けた宅建業者とその宅建業者に媒介、代理の依頼をした者(宅建業者も含む)との間に設けられている規定について、見ていきます。

なお、媒介・代理契約に関する規制の規定については、売買・交換の媒介、代理について適用され、貸借の媒介、代理には、適用されません。

また、宅建業者相互間(依頼者が宅建業者)の場合にも適用されます

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媒介契約の種類

媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約があります。

そして、一般媒介契約には、明示型と非明示型に分かれ、専任媒介契約は専属型と非専属型に分かれます。

一般媒介契約とは

ある者が、宅建業者Aに媒介の依頼をしても、宅建業者Bにも依頼をすることができます。つまり、一般媒介契約とは、ある宅建業者に媒介の依頼をしても、それに重ねて、他の宅建業者にも媒介の依頼をすることができる契約のことです。

明示型とは、他の宅建業者に重ねて依頼をしたときに、他の宅建業者を明示する義務がある契約のことです。

非明示型とは、他の宅建業者に重ねて依頼をしたときに、他の宅建業者を明示する義務がない契約のことです。

 

専任媒介契約

ある者が、宅建業者Aに媒介の依頼をした場合、宅建業者Bにも媒介の依頼をすることができません。つまり、専任媒介契約とは、ある宅建業者に媒介の依頼をした場合、それに重ねて、他の宅建業者に媒介の依頼をすることができない契約のことです。

専属型とは、依頼者自らが探してきた相手と契約することもできません

非専属型とは、依頼者自らが探してきた相手と契約することはできます

なお、専属型は、専属専任媒介契約といいます。非専属型は、宅建士試験上、専任媒介契約といいます。

 

媒介契約の有効期間

一般媒介契約の有効期間

一般媒介契約の有効期間は、契約当事者間で自由に設定することができ、規制されていません。

 

専任媒介契約及び専属専任媒介契約の有効期間

専任媒介契約及び専属専任媒介契約の有効期間は、3カ月を超えることができません。よって、当事者間で4カ月と定めた場合においても、3カ月となります。

なお、有効期間は、依頼者からの申出がある場合にのみ更新することができ、更新後の有効期間も、更新の日から3カ月を超えることができません。

【補足】

  1. 依頼者からの申出がない限り、更新することはできません。当事者間で、有効期間満了に伴い、有効期間を自動的に更新する旨の特約を定めていたとしても、その特約は、無効になります。よって、自動的に更新することは認められません。
  2. 依頼者からの更新の申出があったとしても、依頼を受けた宅建業者は、その更新を拒むことはできます

業務処理状況の報告義務

定期的に、媒介の依頼を受けた宅建業者の業務処理状況を依頼者に知らせる必要があります。これを業務処理状況の報告義務といいます。

一般媒介契約の業務処理状況の報告義務

一般媒介契約については、業務処理状況を報告する義務はありません

 

専任媒介契約の業務処理状況の報告義務

専任媒介契約については、媒介の依頼を受けた宅建業者は、依頼者に対し、2週間(休業日を含む)に1回以上、報告する義務があります。

なお、業務処理状況の報告の方法は、書面であっても、口頭であっても、電子メールでも可能です。

【補足】

  1. 例えば、1週間に1回報告する旨の特約を当事者間で定めた場合、依頼者にとっては有利になるため、その特約は、有効となります。しかし、3週間に1回報告する旨の特約を定めた場合、依頼者にとっては不利になるため、その特約は、無効となります。

  2. 標準媒介契約約款に基づく場合には、書面や電子メールで報告する必要があります。

専属専任媒介契約の業務処理状況の報告義務

専属専任媒介契約については、媒介の依頼を受けた宅建業者は、依頼者に対し、1週間(休業日を含む)に1回以上、報告する義務があります。

なお、報告の方法は、書面であっても、口頭であっても、電子メールでも可能です。

【補足】

例えば、4日に1回報告する旨の特約を当事者間で定めた場合、依頼者にとっては有利になるため、その特約は、有効となります。

しかし、2週間に1回報告する旨の特約を定めた場合、依頼者にとっては不利になるため、その特約は、無効となります。

指定流通機構への登録義務

指定流通機構とは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構のことで、レインズとも言われています。

一般媒介契約の指定流通機構への登録義務

一般媒介契約については、指定流通機構への登録義務はありません。なお、登録義務はありませんが、登録をすることはできます

 

専任媒介契約の指定流通機構への登録義務

専任媒介契約については、媒介の依頼を受けた宅建業者は、専任媒介契約の締結の日から7日以内(宅建業者の休業日は含まない)に、依頼者の物件の情報を指定流通機構に登録しなければなりません。

登録しない旨の特約は、無効となります。

 

専属専任媒介契約の指定流通機構への登録義務

専属専任媒介契約については、媒介の依頼を受けた宅建業者は、専属専任媒介契約の締結の日から5日以内(宅建業者の休業日は含まない)に、依頼者の物件の情報を指定流通機構に登録しなければなりません。

登録しない旨の特約は、無効となります。

 

指定流通機構

宅建業者が専任媒介契約等によって、宅地・建物の売却の依頼を受けた場合、その対象となる不動産の情報が、指定流通機構のシステムに登録されます。

そして、指定流通機構は、登録された情報を他の宅建業者に提供することで、より良い買主を探すことができるようになります。

指定流通機構への登録義務

専任媒介契約と専属専任媒介契約については、媒介の依頼を受けた宅建業者は、依頼者の物件の情報を指定流通機構に登録しなければなりません。

そして、指定流通機構に登録されると、その宅建業者は、指定流通機構が発行する登録を証する書面を受け、その書面を、遅滞なく、依頼者に引き渡す必要があります

【補足】

指定流通機構に登録されると、指定流通機構が、登録を証する書面を発行します。そして、その書面の交付を受けた宅建業者は、遅滞なく、依頼者にその書面を引き渡さなければなりません。

指定流通機構に登録した物件の取引成立

指定流通機構に登録をした宅建業者は、その登録をした宅地・建物の売買、交換の契約が成立した場合、契約成立後、遅滞なく、その旨を指定流通機構に通知しなければなりません。

 

指定流通機構の登録事項

専任媒介契約又は専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、依頼者の物件について、以下の一定事項を指定流通機構に登録します。

  1. 物件の所在
  2. 物件の規模
  3. 物件の形質
  4. 物件の売買すべき価額
  5. その物件に係る都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの
  6. 専任媒介契約又は専属専任媒介契約が、物件の交換の契約に係るものである場合、その物件の評価額
  7. 専属専任媒介契約の場合には、その旨

【補足】

上記1~7の事項は、必ず、登録すべき事項であり、特約により、登録事項としない旨を当事者間で定めたとしても、その特約は、無効となります。

媒介契約書面

媒介契約書面の作成

宅建業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(媒介契約)を締結したときは、遅滞なく、一定事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければなりません。

【補足】

  1. 宅地・建物の貸借の媒介については、媒介契約書面を作成する必要はありません。
  2. 宅建業者の記名押印となります。よって、宅地建物取引士の記名押印ではありません。
  3. 依頼者が、宅建業者の場合においても、書面を交付する必要があります。

媒介契約書面の記載事項

媒介契約の書面には、下記の事項を記載しなければなりません。

  1. 宅地の所在、地番等宅地を特定するために必要な表示又は建物の所在、種類等建物を特定するために必要な表示
  2. 宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額(評価額は、交換の場合です)
  3. 媒介契約が、専任媒介契約なのか一般媒介契約なのか、一般媒介契約の場合には、明示型なのか非明示型なのか
  4. 当該建物が既存の建物であるときは、依頼者に対する建物状況調査(建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として国土交通省令で定めるもの)の状況の調査であって、経年変化その他の建物に生じる事象に関する知識及び能力を有する者として国土交通省令で定める者が実施するものをいう。)を実施する者のあっせんに関する事項
  5. 媒介契約の有効期間及び解除に関する事項
  6. 指定流通機構への登録に関する事項
  7. 報酬に関する事項
  8. 専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)の場合、依頼者が他の宅建業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置
  9. 専属専任媒介契約の場合、依頼者が、依頼を受けた宅建業者が探してきた人以外の人と売買、交換の契約を締結したときの措置
  10. 一般媒介契約で明示型の場合、依頼者が明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置
  11. 媒介契約が国土交通大臣の定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別

【補足】

  1. 宅建業者は、上記「2.売買すべき価額又は評価額」について意見を述べる場合には、その根拠を明らかにしなければなりません。なお、口頭でも可能です。

  2. 上記7~9は、媒介契約に違反した場合の措置についてです。

  3. 標準媒介契約約款とは、国土交通省があらかじめ作成しておいた媒介契約の契約条項のことで、媒介契約の見本となるものです。

  4. 一般媒介契約の有効期間については、規制されていませんが、標準媒介契約約款に基づくものであるときには、有効期間は、3カ月を超えることができません。また、標準媒介契約約款に基づくときは、業務処理状況の報告義務については、書面やメールで行う必要があります。

  5. 上記4は、建物状況調査(インスペクション)です。(平成30年4月1日施行)
    宅建業者は、インスペクション業者のあっせんの可否を示し、媒介依頼者の意向に応じてあっせんします。
    上記4の「あっせん」は、建物状況調査を実施している業者に関する単なる情報提供ではなく、売主又は買主と業者の間で建物状況調査の実施に向けた具体的なやりとりが行われるように手配することが求められています。
    なお、インスペクションの実施自体が義務付けられているわけではありません。

申込みがあったときの依頼者への報告

媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地建物の売買の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければなりません。

テキストを読み終えた後は、穴埋め問題を解きましょう。

また、穴埋め問題を解き終えた後は、一問一答を解きましょう。

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