抵当権テキスト

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抵当権とは

抵当権とは、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した目的物について、もし、債務の弁済がなされないときには、その不動産を競売にかけ、その競売によって得た代金により、債権者が優先的に弁済を受けられる担保物権(=約定担保物権)のことです。

【補足】

  1. 自分の不動産に抵当権を設定する者のことを抵当権設定者といい、債権者のことを抵当権者といいます。
  2. 抵当権を設定することができるのは、不動産、地上権、永小作権のみです。よって、賃借権等には、抵当権が設定されません。
  3. 目的物は、債権者の元に移転することはなく、債務者は、その目的物を自由に使える権利があります。要するに、抵当権は、諾成契約ということです。諾成契約とは、当事者間の意思表示の合意で成立するもので、抵当権設定の際に、物の引渡しを必要としません。
  4. 抵当権は、目的物の所有者と債権者との合意によって成立する約定担保物権です。
  5. 債務者のために、第三者が所有している目的物に抵当権を設定できます。この場合の第三者のことを物上保証人といいます。
  6. 被担保債権とは、担保物権(=抵当権等)により担保される債権のことです。被担保債権は、金銭債権に限定されることはなく、物の引渡しを目的とする債権を担保するためにも抵当権を設定することができます。
  7. 抵当権は、登記をすることにより第三者に対抗することができます。
  8. 同一の不動産に複数の抵当権を設定することができます

抵当権の性質

 抵当権には、物上代位性、不可分性、随伴性、付従性が認められています。

物上代位性

【例題】

Aが、Bからお金を借りる際に、A所有の家屋に抵当権を設定していた。その後、火災によりその家屋が消滅した場合、抵当権者Bは、どうしたらいいのか。

【解答・考え方】

  1. Bは、Aから確実にお金を回収するためにAの家屋に抵当権を設定しています。いざとなれば、抵当権を実行(=その家屋を競売にかける)して、お金を回収することができるのです。
  2. しかし、抵当権の目的物であるAの家屋が火災により消滅してしまいました。要するに、家屋を競売にかけることができず、確実にお金を回収することができなくなるということです。
  3. ただ、Aは、火災保険をかけていたので、家屋が消滅しても保険金を受け取ることができます。そうなると、Bだけ何も受け取ることができないのは、不公平です。
  4. そこで、Bを保護するために、Bは、抵当権の目的物であった家屋に代えて、Aの保険金に抵当権を行使することができ、その保険金から弁済を受けとれるようにしました。これを、物上代位といいます。
  5. なお、Bは、保険金に対して抵当権を行使するためには、Bが、Aに保険金が払い渡される前に、差し押さえなければなりません。

上記は、保険金について、説明しました。この他にも物上代位の例をあげておきます。

  1. Aが、Bからお金を借りる際に、A所有の家屋に抵当権を設定していた。その後、第三者Cが故意にその家屋を滅失させた場合、Bは、AがCから受け取る損害賠償金からも弁済を受けることができます。
  2. Aが、Bからお金を借りる際に、A所有の家屋に抵当権を設定していた。その後、Aが、その家屋を第三者Cに売却した場合、Bが、その売却代金がAに払い渡される前に、差し押さえることにより、その売却代金から、弁済を受けることができます。
  3. Aがその家屋をCに賃貸していた場合、賃料からも弁済を受けることができます。

【例題1】

Aが、Bからお金を借りる際に、A所有の家屋に抵当権を設定しており、登記も済んでいる。その後、Aがその家屋をCに賃貸した。この場合、Bは、賃料債権に物上代位ができるのか。

【解答】

Aが、期日が来ても、Bから借りたお金を返さないときは、Bは、賃料債権に物上代位をすることができます。なお、Bは、賃料がAに払い渡される前に、差し押さえる必要があります。

【例題2 一般債権者が現れた場合】

上記の例題1の場合で、Aの一般債権者Dが賃料債権を差し押えた場合、Bは、物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえることができるのか。

【解答】

抵当権の設定登記と一般債権者の申立てによる差押え命令の第三債務者(=C)への送達の先後により決まります。よって、抵当権の設定登記の後に賃料債権が生じているので、Bは、賃料債権に物上代位することができます。

【例題3 賃料債権が譲渡された場合】

上記の例題1の場合で、Aが賃料債権をDに譲渡し、第三者に対する対抗要件も備えた場合、Bは、譲渡後の賃料債権に物上代位を行使して差し押さえることができるのか。

【解答】

抵当権の設定登記後に賃料債権が譲渡されているので、Dも抵当権の事実を知ることは可能であり、Bは、譲渡後の賃料債権に物上代位を行使して差し押さえることができます

【例題4 転借人が現れた場合】

上記の例題1の場合で、Cがその家屋をDに転貸(=転貸の承諾は得ている)した場合、Bは、CのDに対する転貸賃料債権に物上代位を行使できるのか。

【解答・手順】

  1. Cは、Bからお金を借りているわけでもないのに、どうして、Dから受け取ることができる賃料をBに取られなければいけないのか!と思うはずです。したがって、原則、Bは、CのDに対する転貸賃料債権に物上代位を行使することができません
  2. ただし、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合、Bは、転貸賃料債権に物上代位を行使することができます。
  3. すなわち、Bは、AがCから取得する賃料債権には、物上代位をすることができ、CがDから取得する転貸賃料債権には、物上代位をすることができません。この場合、物上代位をされたくないAが、仮装によりCに家屋を賃貸していた場合など抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合には、転貸賃料債権に物上代位することができます。

不可分性

不可分性とは、債権が全部消滅するまでは、抵当権の効力が、目的物全体に及ぶということです。

【補足】

Aが、Bから500万円を借りる際に、A所有の500平方メートルの家屋に抵当権を設定した。その後、AがBに100万円を返済したとしても、抵当権の効力は、その家屋全体(=500平方メートル)に及びます。400平方メートルの家屋に対して、抵当権の効力が及ぶわけではありません。

随伴性

随伴性とは、被担保債権が譲渡等により移転されると、抵当権も一緒に移転されることです。

【補足】

被担保債権の譲渡を受け、それに伴い抵当権を取得した者は、債権譲渡の対抗要件を備え、かつ、抵当権の移転登記をすることにより、抵当権の取得を第三者に対抗することができます。

付従性

付従性とは、被担保債権が時効により消滅した場合には、抵当権も消滅され、被担保債権が無効となった場合には、抵当権も無効になることです。 

【補足】

被担保債権がない以上は、抵当権の意味がないということです。

抵当権の効力が及ぶ範囲

抵当権の効力が及ぶとは、例えば、土地に抵当権を設定している場合、土地については、当然に、競売にかけることができますが、土地以外にも、土地と一緒に競売にかけることができるということです。

例えば、借地上の建物に抵当権が設定された場合、その建物の敷地利用権である借地権にも抵当権の効力が及びます。なお、土地に抵当権を設定しても、その土地上の建物に抵当権の効力が及びません。逆に、建物に抵当権を設定してもその敷地である土地に抵当権の効力が及びません。

 

付合物

付合物は、不動産の構成部分となっているものであり、原則、不動産の所有者のものになり、抵当権の効力が及びます。例えば、家屋の分離できない造作や増築・抵当地上の樹木等のことです。

ただし、付合物であっても、次のものは、抵当権の効力が及びません。

  1. 権原によってその物を付属させた場合

    地上権者や賃借人が、抵当地上に樹木を植えた場合等には、抵当権の効力が及びません。

  2. 設定行為に別段の定めがある場合

    抵当権設定契約で、抵当地上の樹木には、競売できないようにするという定めをした場合には、抵当権の効力が及びません。

    この場合、その別段の定めは、登記事項として、登記簿に記録する必要があります。

従物

抵当権の目的物に付属しても、独立した権利があるものです。例えば、土地に付属する石灯籠や、建物に付属する畳や建具等には、抵当権の効力が及びます。

 

果実

抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に効力が及びます。なお、果実には、天然果実と法定果実に区分されます。

  1. 天然果実とは、元物の用法に従い収取する産出物をいいます。例えば、りんごの木を持っている人は、りんごを取ることができる等のことです。
  2. 法定果実とは、物の使用の対価として受け取る金銭等のことをいいます。例えば、家屋を他人に貸して賃料を受け取ることができる等のことです。

抵当権の順位

同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の順番によって決まります。契約を締結した順番で決まるわけではありません。

例えば、Aの建物に、債権者であるBやCのために抵当権を設定することができます。その後、建物を競売にかけた場合、BとCの登記の順番で優先的に弁済されることになります。BがCよりも先に登記をした場合、Bを一番抵当権者といい、Cを二番抵当権者といいます。また、Bの抵当権が消滅されるとCの抵当権の順位が上がります。要するに、Cが一番抵当権者となります。

抵当権の順位の変更

抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができます。ただし、利害関係を有する者(=順位の変更により、利益が生じる者を除きます)がいるときには、その者の承諾を得なければなりません。また、抵当権の順位の変更は、登記をしなければ、順位変更の効力が生じません。

例えば、登記の先後でBが一番抵当権者、Cが二番抵当権者となった。Bは、その抵当権をDからお金を借りる際に、担保に供している。(=抵当権を担保にすることを転抵当といい、Dのことを転抵当権者という。)その後、Bを二番抵当権者、Cを一番抵当権者に変更したい場合には、まず、BとCの両者の合意が必要となり、次に、利害関係者であるD(=転抵当権)の承諾が必要となります。そして、最後に、順位変更の登記をすることにより、順位が変更されます。なお、抵当権設定者は、利害関係人ではありません。

抵当権の順位の譲渡

抵当権の順位の譲渡とは、抵当権者が、他の抵当権者に抵当権の順位を譲渡することであり、その譲渡により、優先的に弁済を受けられる利益を譲渡することです。

【例題】

2,000万円の価値がある建物に抵当権が設定されている。一番抵当権者Aの債権額は700万円、二番抵当権者Bの債権額は1,200万円、三番抵当権者Cの債権額は300万円である。その後、AがCに抵当権の順位を譲渡した場合、A・B・Cは、いくら、優先的に弁済を受けることができるのか。

【解答・手順】

  1. 抵当権順位の譲渡が行われるは、Aが700万円の全額、Bが1,200万円の全額、Cが100万円(=建物の価値-A及びBの弁済分)を優先的に弁済を受けることができます。

  2. AがCに抵当権の順位の譲渡を行った場合には、その譲渡が行われる前のAとCの弁済を受けることができる金額を合計します。合計すると800万円(=Aが700万円+Cが100万円)です。

  3. 800万円の範囲内でCがAよりも優先的に弁済を受けることができます。したがって、Cは、300万円の全額の弁済を受けることができます。そして、Aは、500万円(=800万円-Cへの弁済分300万円)の弁済を受けることができます。

  4. なお、抵当権順位の譲渡の当事者でないBが受ける弁済金額は、譲渡前と譲渡後で変わることはありません。したがって、1,200万円の弁済を受けることができます。

抵当権の順位の放棄

抵当権の順位の放棄とは、抵当権者が、他の抵当権者のために抵当権の順位を放棄することであり、その放棄により、放棄をした抵当権者と放棄を受けた抵当権者が同順位になります。同順位になるということは、平等な立場であり、両者の債権額に応じて、弁済を受けることができます。 

【例題】

2,000万円の価値がある建物に抵当権が設定されている。一番抵当権者Aの債権額は700万円、二番抵当権者Bの債権額は1,200万円、三番抵当権者Cの債権額は300万円である。AがCのために抵当権の順位を放棄した場合、A・B・Cは、いくら、優先的に弁済を受けれることができるのか。

【解答・手順】

  1. 抵当権順位の放棄が行われるは、Aが700万円の全額、Bが1,200万円の全額、Cが100万円(=建物の価値-A及びBの弁済分)を優先的に弁済を受けることができます。

  2. AがCに抵当権の順位の放棄を行った場合には、その放棄が行われる前のAとCの弁済を受けることができる金額を合計します。合計すると800万円(=Aが700万円+Cが100万円)です。

  3. 800万円の範囲内で、A及びCの債権額に応じて、弁済を受けることができます。したがって、800万円×700万円(=Aの債権金額)÷1,000万円(=A及びCの債権の合計)=560万円の弁済をAは受け取ることができます。

    そして、800万円×300万円(=Cの債権金額)÷1,000万円(=A及びCの債権の合計)=240万円の弁済をCは受け取ることができます。

  4. なお、抵当権順位の放棄の当事者でないBが受けることができる弁済金額は、譲渡前と譲渡後で変わることはありません。したがって、1,200万円の弁済を受け取ることができます。

抵当権とそれ以外の担保物権との優先順位

  1. 不動産売買の先取特権、不動産質権と抵当権とでは、登記の順番で優先されることになります。例えば、抵当権の登記の方が早い場合には、抵当権が優先して行使されることになります。
  2. 不動産保存の先取特権、不動産工事の先取特権と抵当権とでは、登記の順番に関係なく、登記をした不動産保存の先取特権、不動産工事の先取特権が抵当権よりも優先的に行使することができます。

抵当権の処分

転抵当

抵当権者は、自分が有する抵当権を自分の債務のために、担保に供することができます。例えば、AがBにお金を貸す際に、Bの土地に抵当権を設定した。その後、AがCからお金を借りる際に、Bに対する抵当権を担保にできるということです。

抵当権の譲渡

抵当権の譲渡とは、抵当権者が、同一の債務者に対する他の無担保債権者に抵当権を譲渡することです。その譲渡により、無担保債権者が、その抵当権者が有している弁済を受けれる利益を取得することができるのです。

【例題】

2,000万円の価値がある建物に抵当権が設定されている。一番抵当権者Aの債権額は1,200万円、二番抵当権者Bの債権額は1,200万円、無担保債権者Cの債権額は300万円である。その後、AがCに抵当権を譲渡した場合、A・B・Cは、いくら、優先的に弁済を受けることができるのか。

【解答・手順】

  1. 抵当権の譲渡が行われるは、Aが1,200万円の全額、Bが800万円(=建物の価値-Aの弁済分)、Cは、抵当権者ではないので弁済を受けることができる金額は、0円です。

  2. AがCに抵当権の譲渡を行った場合には、Aが優先的に弁済を受けることができる金額1,200万円の範囲内で、Aより先にCが優先的に弁済を受けることができます。したがって、Cは、300万円の弁済を受けることができます。そして、Aは、900万円(=1,2000万円-Cへの弁済分)の弁済を受けることができます。

  3. なお、抵当権の譲渡の当事者でないBが受けることができる弁済金額は、譲渡前と譲渡後で変わることはありません。したがって、800万円の弁済を受け取ることができます。

抵当権の放棄

抵当権の放棄とは、抵当権者が、無担保債権者のために抵当権を放棄することです。その放棄により、抵当権者と無担保債権者との間においては、平等な立場となり、両者の債権額に応じて、弁済を受けることができます。

【例題】

2,000万円の価値がある建物に抵当権が設定されている。一番抵当権者Aの債権額は1,200万円、二番抵当権者Bの債権額は1,200万円、無担保債権者Cの債権額は300万円である。AがCに抵当権を放棄した場合、A・B・Cは、いくら、優先的に弁済を受けることができるのか。

【解答・手順】

  1. 抵当権の放棄が行われるは、Aが1,200万円の全額、Bが800万円(=建物の価値-Aの弁済分)、Cは、抵当権者ではないので弁済を受けることができる金額は、0円です。

  2. AがCに抵当権の放棄を行った場合には、Aが弁済を受けることができる金額1,200万円の範囲内で、A及びCの債権額に応じて、弁済を受けることができます。

    したがって、1,200万円×1,200万円÷1,500万円(=A及びCの債権金額の合計)=960万円が、Aが弁済を受けることができます。

    そして、1,200万円×300万円÷1,500万円(=A及びCの債権金額の合計)=240万円が、Cが弁済を受けることができます。

  3. なお、抵当権の放棄の当事者でないBが受けることができる弁済金額は、譲渡前と譲渡後で変わることはありません。したがって、800万円の弁済を受け取ることができます。

被担保債権の範囲

抵当権者が、抵当権実行(=競売にかける等)により、優先的に弁済を受け取ることができるのは、被担保債権の抵当権設定当時の元本、利息、遅延損害金(=債務不履行による損害賠償)等です。

しかし、利息や遅延損害金については、時間が経てば経つほど金額も増えていくものです。そうなると、利息や遅延損害金に制限をかけなかった場合には、後順位抵当権者や一般債権者の取り分が少なくなり、不利益が生じることになります。したがって、利息や遅延損害金については、原則、満期となった最後の2年分に限定して、優先的に弁済を受けられるようにしました。

満期となった最後の2年分とは、抵当権の実行により、金銭の配当が行われる時(=配当期日)から遡って、2年分ということです。ただし、後順位抵当権者や一般債権者のために、2年間に制限しているので、後順位抵当権者や一般債権者等が存在しない場合には、2年間に限定されることはありません。

抵当権の消滅

抵当権の消滅時効

  1. 債務者及び抵当権設定者に対しては、被担保債権が時効によって消滅するのと同時に、抵当権は、時効により消滅します。
  2. 債権又は所有権以外の財産権である抵当権は、債務者の弁済期から20年間行使しないことにより消滅するはずです。

    しかし、抵当権は、債権を担保するだけのものであり、抵当権だけがあっても意味がありません。

    したがって、被担保債権が貸付債権で、弁済期後10年で時効により消滅した場合には、それと同時に抵当権も時効により消滅します。

  3. また、貸付債権のみに時効の中断等により、弁済期後25年で時効により消滅した場合には、それと同時に抵当権も時効により消滅します
  4. 債務者及び抵当権設定者以外の者(後順位抵当権者や抵当不動産の第三取得者等)に対しては、被担保債権が時効により消滅するか否かに関係なく、抵当権は、債務者の弁済期から20年間行使しないことにより消滅します。

抵当不動産の取得時効

債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当不動産について取得時効が成立するので抵当権が消滅します

時効取得は、原始取得です。原始取得というのは、他人の権利を全く引き継ぐことなく、新しく取得することです。

例えば、A(債務者又は抵当権設定者ではない)がB所有の抵当不動産を時効により取得します。取得時効は、原始取得なので、Aは、抵当権という他人の権利を引き継ぐことなく、新しく不動産を取得したと考えます。要するに、Aが、時効により抵当不動産を取得すれば、抵当権は、消滅することになります。

地上権等の放棄

地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人は、地上権又は永小作権を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができません

地上権や永小作権に抵当権を設定した場合、地上権者や永小作人が、地上権や永小作権を放棄した場合、地上権や永小作権が消滅することになり、それに伴い抵当権も消滅するはずですが、抵当権の消滅を抵当権者に対しては、主張することができないということです。

第三取得者の保護の制度

AがBにお金を貸し付け、AのためにB所有の建物に抵当権を設定し、登記も済んでいた。その後、その建物をCが取得した。抵当権の登記がされているため、Cがその建物を取得した場合でも、抵当権は存在することになります。

したがって、Cは、Bがお金を返さないと、その建物が競売にかけられ、建物を所有することができなくなってしまいます。Cのような第三取得者を保護する制度として、代価弁済と抵当権消滅請求の規定が設けられています。

代価弁済

抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じて、その抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅することになります。

抵当権者からの請求がなければ、上記の規定は適用されません

すなわち、抵当権者から第三者に「お金を払ってくれますか」と言って、第三者が抵当権者にお金を支払うと、その第三者のために抵当権が消滅するということになります。

抵当権消滅請求

代価弁済は、抵当権者からの請求がなければ、第三者の保護規定が適用されません。そこで、抵当権者からの請求がない場合においても、第三者が保護される規定があります。それが抵当権消滅請求です。

抵当不動産を購入したAが、抵当権者に対して抵当権を消滅させるための一定の金額を提示することにより、抵当権を消滅させるための請求(=抵当権消滅請求)をし、書面を交付します。そして、抵当権者が、「その金額で抵当権を消滅させても良い」と承諾すると、Aがその金額を支払うことにより、抵当権が消滅します。

【補足】

  1. 主たる債務者、保証人及びこれらの承継人(=例えば、主たる債務者の相続人等)が、抵当不動産を購入して第三者となった場合、抵当権消滅請求はできません。また、停止条件付きで抵当権が設定されている不動産を取得しようする第三者は、その条件の成否未定の間は、抵当権消滅請求することができません。
  2. 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押さえの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければなりません。したがって、第三取得者は、いつでも、抵当権消滅請求をできるのではありません。
  3. 抵当権消滅請求をするときは、登記をしている各債権者に対し、一定の書面を送付する必要があります。一定の書面については、事前に裁判所の許可を受ける必要はありません
  4. 書面の交付を受けた各債権者の全員が承諾をすれば、「抵当権消滅請求をしても良い」ということであり、承諾をしなければ、「その金額で抵当権を消滅しません」ということになります。

    では、書面の交付を受けた債権者が、いつまでたっても、承諾するか否かの答えをださなかったら、第三取得者は、待ち続けなければなりません。

    そこで、書面の交付を受けた債権者が、書面の送付を受けた後2ヵ月以内に抵当権を実行して競売の申立をしないときには、承諾したものとみなします。

  5. 抵当権消滅請求の手続が終わるまで、抵当不動産の代金支払を拒むことができます

賃借人との関係

抵当権の設定登記前の賃借人との関係

抵当権の設定登記がされる前の不動産の賃借人は、対抗要件(登記や借地借家法上の対抗要件)を備えていれば、抵当権者や、抵当権が実行されてその不動産を買い受けた人に、対抗することができます。

【例題】

Aは、B所有の建物を借りて生活をしていた。その後、Bは、Cからお金を借りる際に、その建物にCのための抵当権を設定したが、BがCにお金を返済しなかったので、Cはその建物を競売にかけて、Dがその建物を競落した。この場合、AとDの関係上、どのように取り扱うのか。

【解答】

抵当権の設定登記前に、既にBから建物を借りてAが生活をしているので(=借地借家法上の対抗要件を備えているということです)、Aは、Dに対抗することができます。要するに、Aは、その建物で生活をし続けることができます。

逆に、Dは、Aにその建物から出て行かせることはできません。

抵当権の設定登記後の賃借人との関係

 1.原則

抵当権の設定登記がされた後の不動産の賃借人は、抵当権者や、抵当権が実行されてその不動産を買い受けた人に、対抗することができません。

【例題】

Bは、Cからお金を借りる際に、Bの建物にCのための抵当権を設定し、登記も済んでいる。その後、Bは、その建物をAに賃貸して、Aが賃借権の登記をし、その建物で生活をしていたが、Bが、Cにお金を返済しなかったので、Cはその建物を競売にかけて、Dがその建物を競落した。この場合、AとDの関係上、どのように取り扱うのか。

【解答】

抵当権の設定登記後に、Bから建物を借りてAが生活をしていた場合には、原則、Aは、Dに対抗することができません。

要するに、Aは、その建物で生活をし続けることができなくなるということです。

逆に、Dは、Aにその建物から出て行かせることができます。

2.賃借人に対抗力を与える例外

登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権者全員が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、抵当権者や、抵当権が実行されてその不動産を買い受けた人に対抗することができます。なお、抵当権者が同意をする際には、抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者等の承諾を得る必要があります。

【補足】

  1. 登記をしている賃借権についての規定であり、借地借家法上の対抗要件を備えているが、登記をしていない賃借権については、この規定が適用されません。
  2. 原則の例題でいうと、Cの同意があり、かつ、その同意の登記をした場合、Aは、Dに対抗することができます。要するに、Aは、その建物で生活をし続けることができます。逆に、Dは、Aにその建物から出て行かせることはできません。

3.賃借人に猶予を与える例外 

抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって、競売手続の開始前からその建物を使用又は収益をしていた者等は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6ヵ月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡す必要がありません。

【補足】

  1. 賃借権の登記をしていない賃借人は、上記2.の規定が適用されません。要するに、抵当権の目的となっている建物が競売にかけられ、その建物が競落された場合、すぐに、出て行かされることになります。

    しかし、その賃借人であっても、競売手続開始前から抵当権の目的である建物を使用又は収益をしていた者等については、今すぐにその建物から出て行かされるのは、酷な話です。ですから、建物の明渡しを6ヵ月間猶予することができます。

    6ヵ月間猶予されることになった賃借人は、その建物を使わせてもらっている対価(賃料相当額)をその建物の買受人に支払う必要があります。そして、買受人が、賃借人に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払いの催告をし、賃借人が、その相当の期間内に対価を支払わない場合には、6ヵ月間の猶予がされなくなります。

  2. この規定は、建物の賃借人を保護する規定であり、土地についての規定ではありません。

 法定地上権

法定地上権の概要

Aが土地付建物を所有しています。その後、Aは、Bからお金を借り、A所有の建物に抵当権を設定しました。その後、Aは、お金を返さなかったので、Bが抵当権を実行(=競売にかけること)し、Cがその建物を競落した。

そうなると、A所有の土地の上にC所有の建物があることになります。Cは、建物を取得したとしても、土地を使える権利がない限り、建物を自由に使うことはできません。そこで、Cは、Aに「土地を使わせてください」と言っても、Aが「使っても良いよ」と言うとは限りません。そうなると、建物を競売にかけたとしても、誰もお金を出して取得しようとは、思わないですよね。

そこで、一定の要件を満たす場合に限り、地上権(=土地を使える権利)が自動的に成立します。したがって、Cは、その建物を自由に使えることになります。これを法定地上権といいます。

法定地上権の成立要件

下記の4要件、全てを満たした場合に限り、法定地上権が成立することになります。

1.抵当権設定時に、土地の上に建物が存在していること

【補足】

  1. 土地の抵当権設定時に、その建物が、登記されているか否かは、関係ありません。要するに、未登記の建物であっても、法定地上権は成立します。

  2. 抵当権設定時に更地であった場合、法定地上権は成立しません。更地とは、建物や構築物等が建っておらず、賃借権等の権利も付されていないものです。

  3. 土地の抵当権設定時には、土地の上に建物が存在していたが、その後、建物が火災等により滅失し、抵当権実行時までに建物を再築した場合には、法定地上権は成立します

2.抵当権設定時に、土地と建物の所有者が同一であること 

【補足】

  1. 土地の抵当権設定時に、実体的に土地と建物が同一の所有者に属することが要件となっており、名義上で判断していくものではありません。

    例えば、土地の抵当権設定時に、建物の所有権移転登記がなされていないため、その建物については、前の持ち主の名義のままで、名義上、所有者が異なっていたとしても、実体的に土地と建物が同一の所有者に属していれば、上記の要件を満たすことになり、法定地上権は成立します。

  2. 抵当権設定時に、土地と建物の所有者が同一であれば、抵当権が実行される前に土地と建物の所有者が同一でなくても、上記の要件を満たすことになり、法定地上権は成立します。
  3. 土地を目的とする一番抵当権設定当時土地と建物の所有者が異なっていた場合、二番抵当権設定時に土地と建物が同一人の所有になったとしても、抵当権が実行されたときは、その建物のために法定地上権は成立しません。

3.土地又は建物の一方、又は建物及び土地の両方に抵当権を設定していること

4.競売の結果、土地と建物の所有者が異なること

地代

地代については、当事者間の協議によりますが、協議が成立しない場合には、当事者の請求によって裁判所が定めることになります。

一括競売

一括競売とは

Aは、Bからお金を借り、A所有の土地(=更地)に抵当権を設定した。その後、Aが、その土地上に建物を築造した。その後、Aは、Bにお金を返さなかった場合、Bが抵当権を実行(=競売にかけること)し、Cがその土地を競落した。

そうなると、Cが土地の所有者となるので、建物の所有者であるAに対して「建物を取り壊して出て行け」と言われる恐れはあります。そこで、土地(=更地)に抵当権を設定した後に、抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができるようにしました。これを一括競売といいます。 

【補足】

  1. 抵当権設定時に建物が存在しないため、法定地上権は成立しません。

  2. 建物の所有者は、抵当権設定者に限定されるわけではありません。

  3. 建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、一括競売の規定を適用することはできません。要するに、抵当権の設定登記前に、建物の所有者が、既に土地を使うことができる賃借権や地上権を有する場合には、抵当権者は一括競売をすることができません。

  4. 一括競売の規定は、義務の規定(=しなければならない)ではなく、任意(=できる)の規定です。

優先弁済

Aは、Bからお金を借り、A所有の土地(=更地)に抵当権を設定した。その後、Aが、その土地上に建物を築造した。その後、Aは、Bにお金を返さなかった場合、Bが土地及び建物を競売にかけた。

この場合、Bは、土地の代金からのみしか優先的に弁済を受けることはできません。抵当権を設定しているのは、土地についてのみだからです。

抵当権侵害

抵当権が付されている目的物の価値が減少するような行為は、抵当権者の利益が害されることになり、抵当権の侵害となります。この場合、抵当権者は、妨害排除請求権が認められます。具体的にどのような場合に、妨害排除請求権が認められるかをあげていきます。

  1. 抵当権設定者が通常の利用方法を逸脱して、建物の毀損行為を行う場合、抵当権者は、被担保債権の弁済期が到来しているか否かに関係なく、抵当権に基づく妨害排除請求権を行使できます。
  2. 抵当権が付されている建物が第三者の不法占有により、第三者が抵当不動産を不法占有することにより競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、その建物の交換価値の実現が妨げられ、優先弁済権の行使が困難な場合、抵当権者が、建物の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することができます。それに加え抵当権者が、抵当権に基づく妨害排除請求権を行使し、不法占有者に対し直接、建物の明渡しも請求できます。

共同抵当

共同抵当とは

Aは、Bからお金を借り、A所有の土地と建物に抵当権を設定した。このように、1つの債権を担保するために、2つ以上の不動産に抵当権を設定することを共同抵当といいます。

同時配当

Aは、Bからお金を借り、A所有の土地と建物に抵当権を設定した。その後、Bが土地と建物を同時に競売にかけ、その代金から弁済を受けることを同時配当といいます。

【例題】

Aは、Bから3,000万円のお金を借りる際に、A所有の3,000万円の価値がある甲土地と2,000万円の価値がある乙建物に抵当権を設定し、登記もされている。その後、Aは、Cから1,500万円のお金を借りる際に、甲土地に、第二順位の抵当権を設定し、登記もされている。その後、Bが甲土地と乙建物を同時に競売にかけ、その価値通りの金額で競落された場合、B及びCに対してどのような配分で、優先弁済を受けることができるのか。

【解答・手順】

  1. 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権を按分します。
  2. Bの債権が3,000万円で、競売代金が5,000万円(土地の価格3,000万円+建物の価格2,000万円)なので、全額弁済されることになります。では、弁済される債権3,000万円は、土地と建物のどちらから、いくら弁済されるのでしょうか。この場合、各不動産の価格の割合に応じて計算されることになります。
  3. 3,000万円×3,000万円(土地の価格)÷5,000万円(土地と建物の価格の合計)=1,800万円について、土地の代金から弁済されます。
  4. 3,000万円×2,000万円(建物の価格)÷5,000万円(土地と建物の価格の合計)=1,200万円について、建物の代金から弁済されます。
  5. このように、Bが、勝手に、土地の代金の一方から、優先弁済を受けることはできません。
  6. そして、第二順位抵当権者であるCは、甲土地についてのみに抵当権を設定しているため、Cの債権金額の範囲内で、甲土地の代金の残額1,200万円(=土地の価格3,000万円-Bへの弁済分)の弁済を受けることができます。したがって、Cの債権が1,500万円なので、1,200万円が優先弁済されることになります。

異時配当

Aは、Bからお金を借り、A所有の土地と建物に抵当権を設定した。その後、Bが土地又は建物を順番に競売にかけ、その代金から弁済を受けることを異時配当といいます。 

【例題】

Aは、Bから3,000万円のお金を借りる際に、A所有の3,000万円の価値がある甲土地と2,000万円の価値がある乙建物に抵当権を設定し、登記もされている。その後、Aは、Cから1,500万円のお金を借りる際に、甲土地に、第二順位の抵当権を設定し、登記もされている。その後、Bが甲土地のみを競売にかけ、その価値通りの金額で競落された場合、B及びCに対してどのような配分で、優先弁済を受けることができるのか。

【解答・手順】

  1. 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができます。この場合において、次順位の抵当権者は、その弁済を受ける抵当権者が同時配当の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として、その抵当権者に代位して抵当権を行使することができます。

  2. Bの債権が3,000万円で、競売代金が3,000万円なので、全額弁済されることになります。では、第二順位の抵当権者Cは、土地にのみに抵当権を設定しているので、優先弁済を受けることができません。同時配当と異時配当とでは、第二順位の抵当権者Cにとって、あまりにも、取り分が異なってきます。

  3. 同時配当の場合には、Bは、土地1,800万円、建物1,200万円の弁済を受けることができます。この場合の、建物1,200万円が、その弁済を受ける抵当権者(=B)が同時配当の規定に従い他の不動産(=建物)の代価から弁済を受けるべき金額(=1,200万円)ということになります。

    したがって、第二順位の抵当権者Cは、1,200万円を限度として、弁済を受けることができます。

根抵当権

根抵当権とは

根抵当権とは、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するために設定する抵当権のことです。 

【補足】

例えば、銀行から取引会社にお金を貸し、その際に、抵当権を設定します。1回だけの取引ならかまいませんが、継続的に銀行からお金を借りていた場合は、どうでしょうか。

その都度、お金を借りる際に抵当権を設定しては、返済をしたら抹消し、また、お金を借りる際に抵当権を設定しては、抹消と繰り返すのは、非常に手間なことです。そこで、あらかじめ、担保できる限度(=極度額)を決めておきます。

そして、その極度額の範囲内で担保することができるのが根抵当権です。したがって、極度額の範囲内であれば、お金を借りても、返しても、抵当権を設定しなくてもいいし、抹消しなくてもいいということになります。

根抵当権の被担保債権の範囲

根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するものであります。この場合、一定の範囲に属する不特定の債権とは、下記のものに限定されます。

根抵当権で担保される債権は限定されているので、債権者と債務者との間に将来発生する全ての債権を担保するような包括根抵当権は認められていません。

  1. 債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるもの(電気製品供給契約等)
  2. 債務者との一定の種類の取引によって生ずるもの(銀行取引や売買取引等)
  3. 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権
  4. 手形上若しくは小切手上の請求権

元本確定前の付従性及び随伴性

元本が確定する前は、被担保債権が弁済されて消滅しても、根抵当権は消滅しません。(=付従性がないということです)また、被担保債権が第三者に譲渡されても、それと一緒に根抵当権も譲渡されることはありません。(=随伴性がないということです)しかし、元本確定後は、普通の抵当権と同様に付従性や随伴性があります。

【補足】

  1. 元本確定とは、例えば、元々、根抵当権自体を1年で終わらせると当事者間で決めていたとします。そして、1年が経って根抵当権が終わるときに、その時点で返済すべき金額がいくらあるかを確定することです。
  2. 元本確定後の根抵当権は、それ以後に生じる債権については担保の対象となりません。ただし、利息については元本確定後であっても極度額までは担保されることになります。よって、普通の抵当権の利息の取扱いとは異なります。

確定期日とは

1.確定期日の定めがある場合

根抵当権の担保すべき元本については、確定期日を定めることができます。この場合、確定期日は、その定めた日から5年以内にする必要があります。

2.確定期日の定めがない場合

  • 根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができます。この場合、その請求の時から2週間を経過することによって、その元本が確定します。
  • 根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができます。この場合、その請求の時に、その元本が確定します。

根抵当権の中身の変更

1.被担保債権の範囲及び債務者の変更

元本確定前においては、当事者の合意により、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができます。また、債務者の変更もすることができます。

元本確定後においては、これらの変更はすることができません。

なお、変更の際に、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得る必要はありません

変更をするときには、元本の確定前に、変更の登記をする必要があります。変更の登記をしない限り、変更の効力は生じません。

2.極度額の変更

元本確定前であっても、元本確定後であっても変更することができますが、利害関係者等の承諾が必要となります。極度額は、担保の限度額のことであるため、変更によって、利益を害する人がいるからです。

例えば、極度額を増額する場合には、後順位抵当権者の取り分が減ることになります。なお、極度額を減額する場合には、転抵当権者の利益を害することになります。

3.確定期日の変更

元本確定前においては、当事者の合意により確定期日を変更することができます。なお、変更した後の確定期日は、変更した日から5年以内にする必要があります。元本確定後においては、変更することができません。

なお、変更の際に、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得る必要はありません。

変更する場合、変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定することになります。

根抵当権の効力

根抵当権者は、確定した元本、並びに利息及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができます。

その他の規定

根抵当権者は、元本確定前の根抵当権の順位の譲渡・放棄をすることができません。

 

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また、穴埋め問題を解き終えた後は、一問一答を解きましょう。

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