相隣関係テキスト

相隣関係の項目は、隣接する不動産の所有者間の様々な事項について学習していきます。

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隣地の使用請求

土地の所有者は、境界又はその付近で建物や障壁(=仕切りの壁)を築造し、又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができます。

ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることができません。

なお、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができます。

【例題】

AとBは隣り合わせで住んでいる。Bは家が古くなってきたので修繕工事をしようとした。ところが、その工事を行う上で、Aの土地を使用する必要性が生じた。この場合、Bは、Aの土地の使用を請求することができるのか。

【解答・手順】

  1. Bは、修繕工事を行うために必要な範囲内で、Aの土地の使用を請求することができます。隣人の承諾がなくても、その承諾に代わる裁判所の判決により使用できます。
  2. Aが自分の土地を使用させてあげたにもかかわらず、その修繕工事によって損害を被った場合、Aは、Bに対し、償金を請求することができます。
  3. なお、Bは、Aの承諾なしには、Aの家には入ることができません。つまり、住家への立ち入りは、Aの承諾が必要ということです。

公道に至るための他の土地の通行権

  1. 他の土地に囲まれて公道に通じない土地(=袋地と言います。)の所有者は、公道に至るため、その袋地を囲んでいる他の土地(=囲繞地と言います。)を通行することができます。
  2. 袋地を囲んでいる他の土地を通行する場合、その通行の場所及び方法は、通行する人にとって最低限必要なもので、かつ、その袋地を囲んでいる他の土地に損害が最も少ないものを選ぶ必要があります。また、通行権を有する者は、必要があるときには、通路を開設することができます。
  3. 通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払う必要があります。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、1年ごとにその償金を支払うことができます。

    【例題】

    Aの家は、Bの家とCの家に囲まれていて、Aは、BかCの土地を通らない限り、公道に出ることができず、通勤ができません。この場合、Aは、Bの土地又はCの土地を通行することができるのか。

    【解答・手順】

    1. 袋地の所有者Aは、B又はCの承諾を得ることなく、Bの土地又はCの土地を通行することができます。なお、Aが有している囲繞地を通行できる権利は、登記に関係なく、B又はCに主張することができます。
    2. では、Aは、B及びCの土地を自由気ままに通行することができるのか。また、Aは、自由にB及びCの土地に通路を開設できるのか。

      Aが通行することにより、Bの土地とCの土地のどちらか最も、損害を与えない方を選ぶ必要があります。したがって、Bの土地及びCの土地を自由に通行できるわけではありません。

      現状では、通行することができないような状態のときに限り、通路を開設することができるのであり、当然に、通路を開設できるわけではありません。

    3. では、B又はCは、損なことしかないのか。

      Aは、囲繞地を通行することはできますが、通行するための料金を支払う必要があります。なお、通行するたびに料金を払わなくても、1年ごとに支払うことができます。ただ、通路の開設のために生じた損害に対するものについては、一度で支払う必要があります。

    【補足】

    通行するための料金の支払いを怠った場合においても、通行するための権利は消滅しないとされています。

  4. 分割によって袋地が生じたときは、袋地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地(=残余地と言います)のみを通行することができます。この場合においては、償金を支払う必要はありません。土地の所有者がその土地の一部を譲渡した場合も同様です。

【分割の例題】

袋地でない甲土地をAとBが共有している。その後、甲土地を分割し、その結果、袋地が生じ、その袋地をAが所有することとなった。(Bが所有している土地は袋地ではない)。この場合、Aは、公道に出るためには、どうしたらいいのか。

【解答・手順】

分割によって袋地が生じたので、袋地の所有者であるAは、公道に出るため、Bが所有している土地(=残余地)のみを通行することができ、必要なときは、通路を開設することも可能です。なお、この場合、償金を支払う必要はありません。

【一部譲渡の例題】

袋地と囲繞地をAが有している。その後、Aは、袋地をBに譲渡した。この場合、Bは、公道に出るためには、どうしたらいいのか。

【解答】

土地の一部譲渡によって袋地が生じたので、袋地の所有者であるBは、公道に出るため、Aが所有している土地(=残余地)のみを通行することができ、必要なときは、通路を開設することも可能です。なお、この場合、償金を支払う必要はありません。

【補足】

残余地の所有者(=B)が、第三者に残余地を譲渡した場合においても、袋地の所有者(=A)が有している残余地を通行することができる権利は、消滅しません。要するに、Aは、残余地を通行することができます。

自然水流に対する妨害の禁止等

土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはいけません

竹木の枝及び根

  1. 隣地の竹木のが境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができます
  2. 隣地の竹木のが境界線を越えるときは、その根を自ら切り取ることができます

【補足】

例えば、自分の家の隣から木の枝が境界線を越えてきた場合、隣の人に切除するように請求することができます。また、木の根が境界線を越えてきた場合、自分で切ることができるという規定です。

境界線付近の建築制限

  • 建物を築造する場合には、境界線から50cm以上の距離を保つ必要があります。

【補足】

  1. 建築基準法に規定されている防火地域及び準防火地域にある外壁が、耐火構造の建築物については、その外壁を隣地境界線に接して設けることができます。(「建築基準法」の項目で詳しく説明します。)

    上記の規定と異なった慣習がある場合には、その慣習に従います。

  2. 上記の規定に違反して建築をしようとする場合、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができます。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができます。
  • 境界線から1m未満の距離内において、他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む)を設ける場合、目隠しを付ける必要があります。

【補足】

上記の規定と異なった慣習がある場合には、その慣習に従います。

その他の相隣関係

  1. 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設置してはいけません。
  2. 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標(=境界線の目印みたいなもの)を設けることができます。
  3. 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担することになります。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担することになります。
  4. 境界線上に設けた境界標、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定されます。(反証があれば異なることとなります)。

テキストを読み終えた後は、穴埋め問題を解きましょう。

また、穴埋め問題を解き終えた後は、一問一答を解きましょう。

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