代理権の濫用新設【改正民法】

2018年度宅建士試験の合格点は何点か?

受験生の方が気になるところです。宅建士合格広場では、合格点が何点か!を予想しております。

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改正民法107条は、「代理権の濫用」の規定が新設されます。なお、現行民法では、「代理権の濫用」の規定が存在しません。

「代理権の濫用」については、判例(民法第93条ただし書類推適用説)以外にも、信義則説や表見代理説など様々な説があります。

代理権の濫用(判例)については、宅建士合格広場では、2018年宅建士試験で出題される可能性が高いと思っています。

ですので、「代理権の濫用」について解説します。

代理権の濫用~判例解説

~判例~

代理人が自己または第三者の利益をはかるため権限内の行為をしたときは、相手方が代理人の意図を知りまたは知りうべきであった場合にかぎり、民法第93条ただし書の規定を類推適用して、本人はその行為についての責に任じないと解するのが相当である。

流れを簡単に解説します。

Aは、Bに、「建物を売却してくれ!」という代理権を授与しました。

代理人Bは、「Aの代理人です!」とCに伝えたうえで、その建物をCに売却しました。

「Aの代理人です!」とCに伝えていますので、顕名(Aのためにしますよ!)があり、また、Bは、建物をCに売却していますので、代理権の範囲内の行為にも該当します。

よって、その効果は本人に帰属しますので、Aは、建物をCに明け渡す代わりに、売買代金を受け取ることができます。

しかし、Bは、Cから受け取った売買代金をAに渡さず、自分のものとしました。

つまり、Bは、本人のためではなく、自分の利益を図るために代理行為をしたことになります。

このように、代理人が、本人の利益ではなく、自己又は第三者の利益を図るために、代理権の範囲内でする行為のことを代理権の濫用といいます。

この場合、売買代金を受け取っていないAは、Cに建物を明け渡さなければならないのでしょうか?

簡単に言いますと、AとCのどちらが保護されるのでしょうか?

Bは、内心では代金を自分のものにしようと思って、代理権の範囲内で行為を行っています。

Cから見れば、「Bの内心なんてわかるか!」と思いますよね。

そこで、代理権が濫用された場合においても、代理行為は、原則、有効となります。

つまり、Cが保護されることとなり、Aは、Cに建物を明け渡さなければありません。

例えば、Cが代理人(B)の内心を知っていた場合には、相手方Cを保護する必要があるのでしょうか?

相手方(C)が代理人(B)の意図を知りまたは知りうべきであった場合には、相手方Cを保護する必要はありません。

つまり、Aは、Cに建物を明け渡す必要はありません。

「民法第93条但書の規定を類推適用して」とは?

上記の判例上の民法第93条但書の規定とは、以下の青色部分です。

意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする

民法93条の規定は、心裡留保の規定です。

心裡留保は、意思と表示が一致していないことでしたよね。

代理権の濫用の場合には、代理人は、本人に法律効果を帰属させる意思をもって、その旨の表示をしています。顕名ですね。

しかし、代理人は、内心は、自己又は他人の利益を図るつもりで、本人のためにすることを表示しています。

つまり、「心裡留保に類似する。」と考えることができます。

しかし、この判例(民法93条ただし書き類推適用説)による無効は、「おかしいのでは?」という批判もありました。

これらを考慮し、改正民法につながっていきます。

改正民法107条~代理権の濫用

~改正民法107条~

代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。

例えば、2018年宅建士試験の民法条文規定問題で、上記の文言は、民法に規定されていますか?と問われましたら、「民法に規定されていない。」と解答してくださいね。

代理権の濫用の規定が、改正民法に規定されることになりました。

上記で解説した判例(民法93条ただし書き類推適用説)によれば、無効となりました。

しかし、改正民法によれば、無権代理に該当することになります。

無権代理行為に該当することより、本人による追認や無権代理人に対する責任追及も可能となりました。

問題にチャレンジ

【問題】

次の記述は、判例によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?

Aが甲土地をCに売却する代理権をBに与えていたところ、Bが代金を自己の個人的な借金の返済に充てる意図で、Aの代理人として甲土地をCに売却し、このようなBの意図についてCが悪意であった場合、Bの代理行為は、無効となる。

【解答・解説】

A→Bに代理権を授与

甲土地をCに売却していますので、この代理権の範囲内の行為です。

しかし、「Bが代金を自己の個人的な借金の返済い充てる意図」があったのです。つまり、代理人Bの行為は、本人の利益のためでなく、自分の利益のためです

Bの代理行為は、代理権の濫用に該当します。

ここで、上記で解説しました判例がでてきます。

代理人が自己または第三者の利益をはかるため権限内の行為をしたときは、相手方が代理人の意図を知りまたは知りうべきであった場合にかぎり、民法第93条ただし書の規定を類推適用して、本人はその行為についての責に任じないと解するのが相当である。

上記の判例を簡単にまとめますと、

原則→代理行為は、有効となります。

例外→相手方(C)が代理人(B)の意図を知りまたは知りうべきであった場合には、代理行為は、無効となります。

本問では、「Bの意図についてCが悪意」と記載されていますので、代理行為は、無効となります。

よって、本問は、正しい記述です

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