【宅建士試験対策用】錯誤~民法徹底解説

「民法の問題が難しい?」「民法を理解できない?」といった質問をよくお受けしています。

教材購入者の皆様からの要望をお受けし、宅建士試験で出題される可能性のある民法の条文等(このページでは、錯誤)を出来る限り簡単に説明します。

宅建士試験の問題の中で一番難しいのは、民法の問題ですので、逆に、民法の問題で高得点を取ることができれば、合格に直結します。

民法の問題が苦手と思っている教材購入者の方は、是非、お読みください。

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錯誤~民法条文

~民法95条~

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

条文自体は、短く、簡単そうに思えますが、奥が深く、どこまで追求していけば良いのか!が迷う条文です。

錯誤については、判例も重要ですが、このページでは、条文を解説する上で必要な判例のみ紹介しますが、重要な判例を網羅していません。

ですので、教材購入者の方は、教材(復習まとめ集、捨て問対策など)に掲載している判例を押えてくださいね。

民法(錯誤)解説

錯誤とは、内心的効果意思と表示が一致していないことを表意者が気づいていないことをいいます。簡単に言いますと、勘違いのことです。

法律行為の要素に錯誤(要素の錯誤)があった場合に、無効となります。

要素の錯誤とは、表意者が意思表示の内容の重要な部分に錯誤があることで、その錯誤がなかったとすれば、本人はその意思表示をしなかったであろうと考えられるもの、かつ、通常人であってもその意思表示をしなかったであろうと認められるものでなければなりません。

重大な過失とは、通常人であれば錯誤に陥ることがないのにもかかわらず、著しく不注意であったために錯誤に陥ったことです。

条文上の言葉(難しい言葉)を使って、流れを見ます。

内心的効果意思と表示が一致していないことをAさんが、気づくことなく、意思表示をしました。

法律行為の要素に錯誤があった

Aさんの意思表示は、無効となります。
なお、錯誤による無効は、原則、錯誤により意思表示をした本人しか主張することができません。ただし、錯誤により意思表示をした者が、要素の錯誤があったことを認めており、かつ、錯誤により意思表示をした者に対して債権を有している者は、例外として、無効を主張することができます。(判例)

しかし、Aさんに重大な過失がありました。なお、重大な過失の立証責任は、相手方にあります。(判例)

Aさんは、その無効を主張することができません。なお、錯誤について、相手方が悪意の場合、Aさんに重大な過失があったとしても無効を主張することができます。(通説)

次は、具体例を使って、簡単に説明します。

例えば、Aさんは、本物を購入しようと思っていたところ、本物と思い込んで偽物を購入したとします。

本物を購入が「意思」で、偽物を購入が「表示」です。つまり、内心的効果意思と表示が一致していません。

また、本物と思い込んで偽物を購入していますので、内心的効果意思と表示が一致していないことをAさんが気づいていません。

結果、錯誤に該当します。

偽物だと分かっていれば、本物を購入しようと思っているAさんは、購入していません。
また、Aさん以外の他の人から見ても、「本物なのか?偽物なのか?」は、重要なことで、本物を購入しようと思っているのであれば、偽物を購入しませんよね。

結果、要素の錯誤に該当します。

ですので、Aさんの意思表示は、無効となります。

ただし、Aさんに重大な過失がありました。

Aさんは、その無効を主張することができません。

動機の錯誤の解説

動機の錯誤、簡単に、言いますと、動機部分の勘違いのことです。

この動機の錯誤は、原則、民法95条の錯誤に該当しません。

しかし、判例において、「動機が相手方に表示(黙示的な表示も含みます)されることにより意思表示(法律行為)の内容となりうる。」となっています。

つまり、動機が相手方に表示されることにより、民法95条の錯誤に該当することになり、要素の錯誤であれば、動機の錯誤も無効となります。

次は、具体例を使って、簡単に説明します。

将来、〇〇地域に新駅ができるかもしれないという噂があります。

「その噂を聞き、それは良い!」と思ったAさんは、〇〇地域にあるB所有の甲不動産を購入しようと思いました。

「新駅ができる」ということを理由に、甲不動産を購入しようと思っています。
ですので、「新駅ができる」が動機で、「甲不動産を購入しようと思った」が内心的効果意思です。

Aさんは、Bさんから甲不動産を購入する契約を締結しました。

「甲不動産を購入する契約を締結した」が、表示ですので、内心的効果意思と一致しています。簡単に言いますと、甲不動産を購入しようと思って、甲不動産を購入したんですよね。

この時点で、民法95条で解説した錯誤ではありません。

その後、新駅ができませんでした。

「新駅ができる」と思っていたのに、新駅ができなかった、つまり、動機部分の錯誤(勘違い)です。

Aさんは、Bさんに、「新駅ができるから購入しようと思うんだ!」と動機部分を伝えています。

Aさんの意思表示は、民法95条の錯誤に該当します。

民法改正

民法95条の規定は、改正されます。

しかし、改正民法は、民法条文規定問題(民法の規定はどれですか?)以外では、2018年宅建士試験では出題されません。

主な改正部分だけ紹介します。

  1. 無効から取消しに変更されます。
  2. 動機の錯誤が明文化されます。
  3. 表意者に重大な過失がある場合には、無効となりませんが、この例外規定が定められます。
  4. 「善意無過失の第三者には対抗できない。」という規定が定められます。

問題にチャレンジ

【問題】

民法第95条本文は、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」 と定めている。これに関する次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?

意思表示をなすに当たり、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

【解答・解説】

この問題は、宅建士試験の過去問題で、条文そのままの問題です。

表意者に重大な過失がある場合、表意者は、その無効を主張することができません。

よって、本問は、正しい記述です

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