債権者代位権テキスト

債権者代位権とは、債権者が、自己の債権を保全するため、債務者が有している権利を行使できる権利のことです。

例えば、A(債権者)がB(債務者)にお金を貸しています。Bは、Cに時計を売却しました。この場合、通常、BがCに対して時計の売却代金を請求しますが、Bに代わって、Aが、Cに対して「時計の代金を支払ってくれ」と請求することができます。

上記のCを第三債務者といいます。

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債権者代位権の要件

債権者代位権を行使するためには、原則、以下の要件を満たす必要があります。

1.債権者が、自分の債権を保全する必要があること

【補足】

  1. 例えば、A(債権者)がBに貸金債権を有しています。そして、BがCに対して代金債権を有しています。債権者代位権とは、お金のないBに代わって、AがCに代金を請求し、Aが、そのお金で貸金債権を回収することが目的です。

    Bが、Cから代金を回収しなくても、Aに対してお金を弁済できるのであれば、原則、Aは、債権者代位権を行使することができません。なぜなら、Bが、お金持ちだった場合、Aから見れば、自己の債権の回収について、全く心配する必要がないからです。

  2. 保全する債権(被保全債権といいます)は、原則、金銭債権である必要があります。

2.債務者が、権利行使をしないこと

【補足】

お金もないBが、弁済期が到来しているにもかかわらず、Cに代金を請求しなかった場合、Aは、債権者代位権を行使できます。元々、Bが、Cに代金を請求しているのであれば、Aは、債権者代位権を行使する必要もなく、そのお金をAへの弁済に充てることができます。

3.原則、被保全債権の弁済期が到来していること

【補足】

例えば、AがBにお金を貸しており、弁済日が平成28年3月10日とします。原則、平成28年3月10日までは、その債権が弁済される可能性があり、債権を保全する必要もありません。

例外として、裁判上の代位や保存行為については、弁済期前においても、債権者代位権を行使できます。

例えば、AがBにお金を貸しており、弁済期が平成28年3月10日とします。そして、Bは、Cに代金債権を有しています。

同年3月1日に、その代金債権が時効により消滅してしまいます。このような場合、時効により消滅してしまったら、債権を保全できなくなります。そこで、Aは、債権者代位権に基づき、Bに代位して、BのCに対する債権について裁判上の請求等をして、時効を中断させることができます。

4.債務者が、第三者に対して有している権利が、債務者の一身に専属する権利でないこと

【補足】

  1. 債務者が第三者に対して有する権利を行使するか否かは債務者本人の意思に委ねるものであり、債権者が債務者に代わって行使するものでない場合、原則、債権者代位権を行使することができません
  2. 債務者の一身に専属する権利とは、例えば、夫婦間の契約取消権、慰謝料請求権、離婚請求権、相続人の遺留分減殺請求権、親族間の扶養請求権等があります。
  3. 夫婦間の契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からその契約を取り消すことができます。なお、債権者が、この取消権を行使することはできません
  4. 慰謝料請求権は、原則、債権者が行使できません。例えば、Aが、Bにお金を貸しています。その後、Cによって、Bの名誉が侵害された場合、Bは、Cに対して、慰謝料請求権を有することになります。原則、Aは、Bが有している慰謝料請求権を行使できません。

    ただし、判例上、Bが、Cに対して「慰謝料を支払え」と言い、B・C間で慰謝料の金額が確定した場合、この時点で、Aは、代位行使することができます。

  5. 判例上、遺留分減殺請求権については、その請求権を第三者に譲渡する場合など、権利行使の確定的意思のあることを外部に表明したと認められる特段の事情がない限り、債権者は、代位行使することができません。

    例えば、親が死亡し、子供であるAが財産全部を相続しました。もう一人の子供であるBは、最低限、親の財産を譲り受ける権利(遺留分)があります。

    Bは、その最低限の範囲内で、Aに対して財産を返せと言える権利があります(遺留分減殺請求権)。この場合、Bにお金を貸しているCは、原則、遺留分減殺請求権について、代位行使することができないということになります。

債権者代位権の例外的な取扱い

上記では、債権者代位権を行使するための、原則的な要件を見ました。

下記からは、例外的に、債権者代位権を行使できるものについて、例題を挙げていきます。なお、抵当不動産が不法占拠されている場合で、一定の要件を満たすときは、抵当権者は、抵当不動産の所有者が有している妨害排除請求権を代位行使することができます。

【例題1】

AがBに土地を売却し、Bがその土地をCに売却しました。しかし、その土地の登記は、Aのままで、B及びCに移転されていない。この状態が続くと、Cは、登記をしていない土地を持つことになり、第三者に対抗できない。この場合、登記の移転をして欲しいCについての判例を見ていきます。

【解答・考え方】

AがBに土地を売却した場合、Bは、Aに対して、「所有権移転登記をしてくれ」と言える権利が生じます。また、Bが、その土地をCに売却した場合、Cは、Bに対して、「所有権移転登記をしてくれ」と言える権利が生じます。ただし、Cが、Aに対して、「所有権移転登記をしてくれ」と言えません。

この場合、Cは、Bに対して、「所有権移転登記をしてくれ」と言える権利を被保全債権として、Bが、Aに対して、「所有権移転登記をしてくれ」と言える権利を、Bの代わりにCが行使することができます。

【補足】

原則、被保全債権は、金銭債権ですが、上記の例題の場合、金銭債権以外の特定債権(登記請求権等)も代位行使することができます。

また、原則、債務者であるBは、債権者に弁済するだけのお金等の財産を有していないことが要件となります。

しかし、Cは、その土地について、所有権移転登記をしたいだけであり、債務者であるBが、お金等の財産があるからといって、損害賠償としてお金をもらっても意味がありません。

つまり、債権者は、債務者に資力があるか否かに関係なく、特定債権を保全するために債権者代位権を行使することができます。

【例題2】

Aは建物を建てたが、所有権保存登記をしていない。その状態で、Aは、Bにその建物を譲渡しました。Aが所有権保存登記をしていない限り、Bは、所有権の登記をすることができないが、この場合、登記をしたいBについての判例を見ていきます。

【解答・考え方】

この場合、Bは、Aに代位して「所有権保存登記の手続」を申請することができます。そして、A名義の所有権保存登記をすることにより、その結果、Bは、Aに対して、「所有権移転登記をしてくれ」と言えます。

【補足】

所有権保存登記とは、例えば、建物を新築した場合等、その建物の最初の所有者を記載するためのものです。保存登記がない限り、以後、所有権移転登記等をすることはできません。

例題1と同様に、債権者は、債務者に資力があるか否かに関係なく、特定債権を保全するために債権者代位権を行使することができます。

【例題3】

Aの土地をBが賃借していた。その土地上にCが勝手に建物を建て、不法占拠していたので、Bは、その土地の全部を使用することができない。Bが、賃借権の登記等の対抗要件を備えていなかった場合、Cに出て行ってもらいたいBについての判例を見ていきます。

【解答・考え方】

  1. 賃借人であるBが、賃借権の登記等の対抗要件を備えていれば、その賃借権に基づいて、Cに対して妨害排除請求権(土地を明渡せということ)を行使することができます。また、土地の所有者であるAは、所有権に基づいてCに対して妨害排除請求権を行使することができます。
  2. 賃借権の登記等の対抗要件を備えていないBは、Aの有する妨害排除請求権を代位行使することができます。この場合、Bは、Cに対して、「土地を自分に明渡せ」と言うことができます。

テキストを読み終えた後は、穴埋め問題を解きましょう。

また、穴埋め問題を解き終えた後は、一問一答を解きましょう。

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