【民法】不法行為(工作物責任)の問題~隙間時間を使って宅建士試験に合格

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今回は、民法の不法行為(工作物責任)の問題となっています。

工作物責任の問題(民法)

次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?

建物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、一次的には所有者が土地工作物責任を負い、所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、占有者が土地工作物責任を負う。

解答:誤り

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負うが、

占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者(現在の所有者)がその損害を賠償しなければなりません。

本問は、占有者と所有者が逆になっています。

【補足】

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を加えた場合、最初に責任を問われるのが、過失のある占有者になります。

※設置の瑕疵とは、設置当初から欠陥がある場合をいい、保存の瑕疵とは、設置当初は欠陥がなかったが、設置後の維持管理の過程において欠陥が生じた場合をいいます。 

しかし、

占有者に過失がないことを証明することができた場合には、次に、所有者が責任を問われることになります。

この場合の所有者の責任は、占有者の責任と異なり、無過失責任となります。

簡単に言いますと、占有者が無過失の場合、所有者は、無過失であろうとなかろうと、必ず、責任を負うことになります。

次は、具体例を使って見ていきます。

例えば、AはBとの請負契約により建物を建築させ、その建物の所有者となりました。

その後、Aは、その建物をCに賃貸し、Cが占有していました。

※A=所有者、C=占有者

その後、その建物の外壁の一部が剥離して、Dが怪我をしました。

この場合の、土地工作物の責任について、見ていきますが、

まずは、占有者Cが責任を負うことになります。

しかし、

占有者Cが損害発生の防止のために必要な注意をしていた場合、

占有者Cは、Dに対して責任を負いません。

占有者Cが責任を負わないのであれば、被害者Dが困ります。

そこで、

占有者Cが、損害発生の防止のために必要な注意をしていた場合、

所有者Aが、Dに対して責任を負うことになります。

この場合、Aは、無過失責任となります。(Aは、無過失であっても、責任を免れません)

その後、

A又はCが、Dに対して損害賠償金を支払ったとします。

しかし、建物の外壁の一部が剥離した理由が、壁の施行業者であるEに責任があったとします。

この場合、損害賠償をしたA又はCは、Eに対して求償することができます(Eに対して、賠償したお金を返してください!と言うことができます)。

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