令和7年(2025年)10月に実施されました宅建士試験の問6の問題と解答・解説です。
問6(問題)
Aが所有している甲土地についての物権変動に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- Bが甲土地をAに無断でCに売却し、その後、BがAから甲土地を購入した場合、Cは、Bから甲土地を購入した時点に遡って甲土地の所有権を取得する。
- Dが甲土地につき、Aに無断でDへの虚偽の所有権の移転の登記をした上で、甲土地をEに売却してその旨の登記をした場合において、その後、AがFに甲土地を売却したときは、Fは、Eに対し、甲土地の所有権を主張することができる。
- Gが甲土地の所有権を時効取得した場合、Gはその後にAを単独相続したHに対して、登記を備えていなくても、甲土地の所有権を主張することができる。
- Aが甲土地上の立木の所有権を留保して甲土地をJに売却し、その後、JがKに甲土地及びその上の立木を売却した場合には、Aは、Kに対し、立木の所有権の留保につき登記又は明認方法を備えない限り、立木の所有権を主張することができない。
問6(解答・解説)
解答・解説に関しましては、宅建士合格広場独自の見解に基づき作成したものとなっています。事前の予告をすることなく変更する場合がございますので予めご了承ください。
- 誤り
「BがA所有の甲土地をAに無断でCに売却」となっていますので、他人物売買となります。
↓
当事者間に特約がなければ、売主Bが、所有者Aから甲土地を取得する契約を締結したと同時に、甲土地の所有権は直ちに買主Cに移転することになります。 - 正しい
「Aに無断でDへの虚偽の所有権の移転の登記をした」となっていますので、Dは、無権利です。
↓
無権利者及びその承継人は、民法177条の第三者に該当しませんので、真の所有者Aから購入したFは、Eに対し、甲土地の所有権を主張することができます。 - 正しい
相続人Hは、民法177条の第三者に該当しませんので、GはHに対して、登記を備えていなくても、甲土地の所有権を主張することができます。
※民法177条の「登記をしなければ対抗することができない第三者」は、当事者及びその包括承継人(相続人など)以外の者で登記の欠缺を主張する正当の利益を有する者をいいます。 - 正しい
Aが甲土地上の立木の所有権を留保して甲土地をJに売却し、その後、JがKに甲土地及びその上の立木を売却した場合、Aは、Kに対し、立木の所有権の留保につき登記又は明認方法を備えない限り、立木の所有権を主張することができません。
解答:1
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