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今回は、「遺留分の帰属及びその割合(民法1042条)」を見ていきます。
遺留分の帰属及びその割合について
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【民法1042条:遺留分の帰属及びその割合について】
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遺留分を算定するための財産の価額×総体的遺留分の割合×遺留分権利者の法定相続分=遺留分の金額となります。
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遺留分を算定するための財産の価額については、
「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額+贈与した財産の価額-債務の金額」により求めることができます。
なお、
贈与については、相続開始前1年間の贈与に限って加算されます。なお、悪意の場合には、1年以上前の贈与であっても加算されます。
※ここは、もっと細かい規定がありますが、このページに記載している部分を押さえてください。
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総対的遺留分の割合については、上記1に記載しているとおりです。
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法定相続分を乗じる必要があるのは、相続人が複数人いる場合です。
相続人が1人ですと、法定相続分は「1」となりますので、乗じる意味がありません。
※相続人のなかで遺留分の権利が認められていないのは、被相続人の兄弟姉妹(甥や姪も含む)、相続放棄をした者、相続廃除された者、相続欠格者などです。
次は事例を使って見ていきます。
例えば、被相続人Aの相続人が配偶者Bのみです。
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死亡時のAの財産は、3,000万円だとします。なお、債務はないものとします。
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Aは、
Cに1,500万円の遺贈をし、
Aの死亡日の6ヵ月前にDに2,000万円の贈与をし、
Aの死亡日の2年前にE(善意)に600万円の贈与をしています。
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Bの遺留分の金額を求めていきます。
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遺留分を算定するための財産の価額は、「3,000万円(財産)+2,000万円(Dへの贈与)=5,000万円」です。
※Eへの贈与は、1年以上前で、善意ですので、加算しません。
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相続人が配偶者Bのみですので、総対的遺留分の割合が2分の1で、法定相続分が1です。
ですので、
5,000万円×2分の1=2,500万円が、配偶者Bの遺留分の金額となります。
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Aの財産3,000万円から、Cに対して1,500万円の遺贈をしますので、
配偶者Bは、残りの1,500万円しか受け取ることができません。
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配偶者Bの遺留分の金額が2,500万円ですので、
1,000万円(1,500万円-2,500万円)を限度に遺留分が侵害されていることになります。
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この場合、Bは、遺留分侵害額請求権を行使することで、1,000万円のお金を取り戻すことができます。
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では、誰から受け取ることができるのか?ということになります。
例えば、
- 受遺者と受贈者があるときは、受遺者が先に遺留分侵害額を負担します。
- 受贈者が複数あるときは、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が遺留分侵害額を負担します。
ここは、もっと細かい規定がありますが、このページに記載している部分を押さえてください。
順番は?
1番目:受遺者(遺贈:C)
2番目:受贈者(後に行われた贈与:D)
3番目:受贈者(前に行われた贈与:E)
となります。
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ですので、
Bは、受遺者であるCに対して1,000万円の金銭の支払いを請求することができます。
これによって、
Bは、遺留分2,500万円を手に入れることができます。
※相続人のなかで遺留分の権利が認められていないのは、被相続人の兄弟姉妹(甥や姪も含む)、相続放棄をした者、相続廃除された者、相続欠格者などです。
もう一つだけ具体例を掲載します。
今度は債務があるパターンです。これ以上の深入りは禁物です。
では、見ていきます。
被相続人Aの相続人は、妻B、子供C、子供Dの3人で、相続開始時において有していたのが現金3,000万円、そして、債務1,000万円でした。なお、B・C・Dは、生前贈与されていないものとします。
なお、Aは、相続開始の3ヵ月前に愛人Eに対して現金5,000万円を贈与していました。
この場合、B・C・Dは、いくら、遺留分侵害額を請求することができるのでしょうか?

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繰り返しになりますが、
まずは、遺留分を算定するための財産の価額を求めていきます。
3,000万円(現金)+5,000万円(←Eは相続人ではないため、原則として、1年間にされた贈与)-1,000万円(債務)=7,000万円
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次に、個別的遺留分、そして、遺留分の額を求めていきます。
「相続人が直系尊属のみ」以外の場合ですので、総体的遺留分が2分の1となります。
相続人が配偶者と子供の場合、法定相続分は、それぞれ2分の1となります。
そして、子供が2人いますので、子供の法定相続分2分の1を2人で均等に分け合うことになります。
ですので、法定相続分は、妻Bが2分の1、子Cが4分の1、子Dが4分の1となります。
個別的遺留分は?
妻B:4分の1
子C:8分の1
子D:8分の1

遺留分の額は?
妻B:7,000万円×4分の1=1,750万円
子C:7,000万円×8分の1=875万円
子D:7,000万円×8分の1=875万円
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最後に、遺留分侵害額を求めていきます。
1.遺留分権利者が相続により取得した額
妻B:3,000万円(現金)×2分の1(法定相続分)=1,500万円
子C:3,000万円(現金)×4分の1(法定相続分)=750万円
子D:3,000万円(現金)×4分の1(法定相続分)=750万円
2.遺留分権利者承継債務の額
妻B:1,000万円(債務)×2分の1(法定相続分)=500万円
子C:1,000万円(債務)×4分の1(法定相続分)=250万円
子D:1,000万円(債務)×4分の1(法定相続分)=250万円
3.遺留侵害額
妻B:1,750万円-1,500万円+500万円=750万円
子C:875万円-750万円+250万円=375万円
子D:875万円-750万円+250万円=375万円
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【計算の結果】
- 妻Bは、愛人Eに対して、「750万円の金銭を支払ってください」と請求することができます。
- 子Cは、愛人Eに対して、「375万円の金銭を支払ってください」と請求することができます。
- 子Dは、愛人Eに対して、「375万円の金銭を支払ってください」と請求することができます。
問題にチャレンジ
次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?
被相続人Aの配偶者BとAの弟Cのみが相続人であり、Aが他人Dに遺産全部を遺贈したとき、Bの遺留分は遺産の8分の3、Cの遺留分は遺産の8分の1である。
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解答:誤り
総対的遺留分の割合が2分の1であり、兄弟姉妹には、遺留分が認められていないので、その全て(2分の1)がBの遺留分となります。
問題にチャレンジ
次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?
成年Aには将来相続人となるB及びC(いずれも法定相続分は2分の1)がいる。Aが「相続財産全部をBに相続させる」旨の有効な遺言をして死亡した場合、BがAの配偶者でCがAの子であるときはCには相続財産の4分の1の遺留分があるのに対し、B及びCがAの兄弟であるときはCには遺留分がない。
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解答:正しい
BがAの配偶者でCがAの子であるときはCには相続財産の4分の1(総対的遺留分の割合2分の1×法定相続分2分の1)の遺留分があるのに対し、B及びCがAの兄弟であるときはCには遺留分がありません。
問題にチャレンジ
次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?
Aは未婚で子供がなく、父親Bが所有する甲建物にBと同居している。Aの母親Cは×1年10月末日に死亡している。AにはBとCの実子である兄Dがいて、DはEと婚姻して実子Fがいたが、Dは×2年3月末日に死亡している。Bが死亡した後、Aがすべての財産を第三者Gに遺贈する旨の遺言を残して死亡した場合、FはGに対して遺留分を主張することができない。
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解答:正しい
遺留分を有するのは、
配偶者・子(代襲相続人も含む)・直系尊属です。
つまり、兄弟姉妹は、遺留分を有していません。
兄弟姉妹が有していない以上、兄弟姉妹の子、つまり、代襲相続人も遺留分を有していません。
問題にチャレンジ
次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?
相続人が被相続人の兄弟姉妹である場合、当該相続人には遺留分がない。
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解答:正しい
兄弟姉妹には遺留分が認められません。
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