権利関係(民法、判例、借地借家法、区分所有法、不動産登記法)の過去問題を〇×形式で出題しています。
解説を読んでも、「なぜ、解答がそうなるのか!」を理解できない方は、必ず、テキスト完成版・ポイント解説に戻って復習してください。
権利関係〇×問題と解説
次の記述が正しければ〇、誤っていれば×をつけてください。
解答:〇
委任による代理人(任意代理人)は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができません。
解答:×
「所有の意思をもって占有(自主占有)すること」が、取得時効の成立要件となる。賃借人による占有は、他主占有となり、占有を継続しても取得時効が成立しません。
本問では、「Bが父から甲土地についての賃借権を相続により承継して賃料を払い続けている」の記述により、Bは、甲土地を借地であると認識したうえで占有(他主占有)しているので、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできません。
解答:×
造作買取請求権は造作に関して生じた債権であって、建物について生じたものではありません。
よって、造作買取請求権を行使した場合、その行使により生じた代金債権を被担保債権として、建物について留置権を主張することができません。
解答:×
民法887条2項前文において、「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は欠格事由に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。」と規定されています。
この規定は代襲相続人の規定です。
本問の場合、A(被相続人)の死亡後にB(被相続人の子)が死亡しているので、Bの子Eは、代襲相続人に該当しません。
本問は、「数次相続」について問われています。
数次相続とは、被相続人(A)の遺産分割協議が成立する前に相続人(B)が死亡し、Bの権利をBの法定相続人(DとE)が引き継ぐ状態のことです。
そもそも、Aの遺産分割協議に参加するのは、Aの子であるBとCでした。
しかし、遺産分割協議が成立しないうちにBが死亡したので、Aの遺産分割協議に参加するのは、「Aの子C+Bの法定相続人であるDとE」の3人となります。
なお、DとEは、死亡したBの立場として分割協議を行います。
解答:×
売買契約を取り消した後に、第三者であるDが登場してきた場合、判例において、「契約を取り消したAと第三者であるDは、対抗関係に立つ。
よって、登記を先に備えたほうが、甲土地の所有権を主張できる。」とされています。
よって、Aは、既に登記を備えているDから甲土地を取り戻すことができないので、本問は、誤りです。
解答:×
承役地が第三者(C)に譲渡された場合、通行地役権は、原則、地役権の設定登記がなければ、第三者(C)に対抗することができません。
しかし、本問のように、「通路として継続的に使用されていることが客観的に明らかであり、かつ、Cが通行地役権があることを知っていた」などの場合には、地役権の設定登記がなくても、第三者(C)に対抗することができる。
よって、「常に通行地役権を否定できる。」旨の記述が誤りです。
解答:〇
区分所有法33条2項において、「規約を保管する者(管理者等)は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。」と規定されています。
よって、本問は、正しいです。
解答:×
権利に関する登記の申請は、原則、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
しかし、不動産登記法110条において、「仮登記の抹消は、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。」と規定されています。
よって、単独申請が可能なので、本問は、誤りです。
解答:×
715条3項において、「使用者が、使用者責任に基づいて、被害者に対し損害を賠償した場合、使用者は、被用者に対して求償することができる。」と規定されています。
判例において、「使用者の被用者に対する求償の範囲は、信義則上相当と認められる限度となる。」とされています。
よって、本問において、「AはCに対して賠償した損害額の全額を常にBから回収することができる。」の記述が、誤りです。
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本試験の問題の中でも、権利関係の問題が一番難しいです。
だからこそ、受験生の多くの方が解ける問題を取りこぼしてはいけません。それに加え、権利関係の問題で1点でも多くの点数を取ることができれば、他の受験生と差をつけることができます。