【問1】判決文の問題と解説【2023年(令和5年)宅建士試験】

■□今日の一問一答■□

本日の問題は、民法の「不動産物権変動」の問題となっています。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

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2023年(令和5年)10月に実施されました宅建士試験の問1の問題(判決文)と解答・解説です。

問1:問題(判決文)

次の1から4までの記述のうち、民法の規定、判例及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。

(判決文)

遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。

  1. 遺産である不動産から、相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料債権は、遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産が帰属することになった相続人が相続開始時にさかのぼって取得する。
  2. 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属し、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。
  3. 遺産分割の効力は、相続開始の時にさかのぼって生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
  4. 遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産から遺産分割後に生じた賃料債権は、遺産分割によって当該不動産が帰属した相続人が取得する。

問1:解答・解説(判決文)

解答・解説に関しましては、宅建士合格広場独自の見解に基づき作成したものとなっています。事前の予告をすることなく変更する場合がございますので予めご了承ください。

  1. 誤り
    相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生ずる金銭債権たる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、その帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けないことになります。(遡及効の影響を受けない!)
    ※簡単に言いますと、相続開始から遺産分割までの賃料債権は、不動産を相続する者が取得するのではなく、法定相続人が法定相続分に従って取得します。
  2. 正しい
    民法898条1項において、「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」と規定されています。
    また、民法899条において、「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」と規定されています。
  3. 正しい
    民法909条において、「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。」と規定されています。
  4. 正しい
    本肢は、遺産分割後の賃料債権の話となっており、
    不動産を取得した相続人が取得します。

解答:1

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