【問2】相隣関係の問題と解説【2023年(令和5年)宅建士試験】

■□今日の一問一答■□

本日の問題は、民法の「不動産物権変動」の問題となっています。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

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2023年(令和5年)10月に実施されました宅建士試験の問2の問題(相隣関係)と解答・解説です。

問2:問題(相隣関係)

相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 土地の所有者は、境界標の調査又は境界に関する測量等の一定の目的のために必要な範囲内で隣地を使用することができる場合であっても、住家については、その家の居住者の承諾がなければ、当該住家に立ち入ることはできない。
  2. 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合、その竹木の所有者にその枝を切除させることができるが、その枝を切除するよう催告したにもかかわらず相当の期間内に切除しなかったときであっても、自らその枝を切り取ることはできない。
  3. 相隣者の一人は、相隣者間で共有する障壁の高さを増すときは、他方の相隣者の承諾を得なければならない。
  4. 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に出るためにその土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる。

問2:解答・解説(相隣関係)

解答・解説に関しましては、宅建士合格広場独自の見解に基づき作成したものとなっています。事前の予告をすることなく変更する場合がございますので予めご了承ください。

  1. 正しい
    本肢のとおり、
    土地の所有者は、境界標の調査又は境界に関する測量等の一定の目的のために必要な範囲内で隣地を使用することができる場合であっても、住家については、その家の居住者の承諾がなければ、当該住家に立ち入ることはできません。
  2. 誤り
    本肢は、「枝」の話ですので、竹木の所有者に枝を切除させる必要があります。これが原則となります。

    原則の話だけですと、
    竹木の所有者が枝を切らなかったのであれば、わざわざ、訴えを提起し切除を命ずる判決を得る必要があります。これは、面倒です。
    また、そもそも、竹木の所有者の所在が不明な場合もあります。
    そこで、
    次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができます。
    ア)竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
    イ)竹木の所有者を知ることができず又はその所在を知ることができないとき
    ウ)急迫の事情があるとき
    ※本肢は、ア)の話です。
  3. 誤り
    相隣者の1人は、共有の障壁の高さを増すことができ、他方の相隣者の承諾は不要です。
    ※その障壁がその工事に耐えないときは、自己の費用で、必要な工作を加え、又はその障壁を改築しなければなりません。
  4. 誤り
    他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができますが、
    通行の場所及び方法は、当該通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければなりません。(自由勝手はダメ!)

解答:1

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