2023年(令和5年)10月に実施されました宅建士試験の問6の問題(不動産の物権変動)と解答・解説です。
問6:問題(不動産の物権変動)
A所有の甲土地について、Bが所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
ア |
AがCに対して甲土地を売却し、Cが所有権移転登記を備えた後にBの取得時効が完成した場合には、Bは登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をCに対抗することができる。 |
イ |
Bの取得時効が完成した後に、AがDに対して甲土地を売却しDが所有権移転登記を備え、Bが、Dの登記の日から所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、所有権移転登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をDに対抗することができる。 |
ウ |
Bの取得時効完成後、Bへの所有権移転登記がなされないままEがAを債務者として甲土地にAから抵当権の設定を受けて抵当権設定登記をした場合において、Bがその後引き続き所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、特段の事情がない限り、再度の時効取得により、Bは甲土地の所有権を取得し、Eの抵当権は消滅する。 |
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
問6:解答・解説(不動産の物権変動)
解答・解説に関しましては、宅建士合格広場独自の見解に基づき作成したものとなっています。事前の予告をすることなく変更する場合がございますので予めご了承ください。
ア | 正しい |
本肢は、「Cが所有権移転登記を備えた後にBの取得時効が完成した」となっていますので、Cは、時効完成前に登場しています。 ↓ 時効取得者Bと時効完成前に登場したCは、当事者と同様の関係ですので、Bは登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をCに対抗することができます。 |
イ | 正しい |
本肢は、「Bが、Dの登記の日から所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した」となっていますので、再度、取得時効が完成した場合の話です。 ↓ ですので、Bは、登記がなくても、甲土地の所有権の時効取得をDに対抗することができます。 |
ウ | 正しい |
不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者(E)が元の所有者(A)から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、不動産の時効取得者である占有者(B)が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは、その占有者が、抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、その占有者は、不動産を時効取得し、その結果、抵当権は消滅することになります。 ※この判例は、イの話を抵当権の場合にもあてはめた!ということになります。 |
解答:3
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