【問10】抵当権の順位の譲渡問題と解説【2019年宅建士試験】

■□問題にチャレンジ■□

民法の意思表示の勉強を終えた方は、意思表示の問題にチャレンジしてください。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

≫問題ページはこちらから

問10:問題(抵当権の順位の譲渡)

債務者Aが所有する甲土地には、債権者Bが一番抵当権(債権額2,000万円)、債権者Cが二番抵当権(債権額2,400万円)、債権者Dが三番抵当権(債権額3,000万円)をそれぞれ有しているが、BはDの利益のために抵当権の順位を譲渡した。甲土地の競売に基づく売却代金が6,000万円であった場合、Bの受ける配当額として、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 600万円
  2. 1,000万円
  3. 1,440万円
  4. 1,600万円

問10:解答・解説(抵当権の順位の譲渡)

解答・解説に関しましては、宅建士合格広場独自の見解に基づき作成したものとなっています。事前の予告をすることなく変更する場合がございますので予めご了承ください。

≫2019年宅建士試験講評ページ

抵当権の順位の譲渡とは、抵当権者が、他の抵当権者に抵当権の順位を譲渡することであり、その譲渡により、優先的に弁済を受けられる利益を譲渡することです。

【以下の手順に従ってお読みください】

抵当権の順位の譲渡が行われる前は、どうなるのか?を考える必要があります。

抵当権の順位の譲渡が行われる前は、Bが2,000万円の全額、Cが2,400万円の全額、Dが1,600万円(競売代金6,000万円-Bへの2,000万円-Cへの2,400万円)を受け取ることができます。

↓譲渡前↓

B:2,000万円

C:2,400万円

D:1,600万円

BがDに抵当権の順位の譲渡を行った場合、

その譲渡が行われる前のBとDの弁済を受けることができる金額を合計していきます。

合計すると「Bへの2,000万円+Dへの1,600万円=3,600万円」となります。

この3,600万円の範囲内でDがBよりも優先的に弁済を受けることができます。

したがって、Dは、3,000万円の全額の弁済を受けることができます。

そして、

Bは、「3,600万円-Dへの3,000万円=600万円」の弁済を受けることができます。

抵当権の順位の譲渡について、当事者ではないCにとっては、譲渡によって、弁済を受ける金額が変わるのはおかしいですよね!

ですので、譲渡前と譲渡後で変わることはありません。

つまり、Cは、2,400万円の弁済を受けることができます。

↓譲渡後↓

D:3,000万円

C:2,400万円

B:600万円

解答:1

≫2019年過去問目次ページ

お問い合わせ

宅建士合格広場から販売している教材に関するお問い合わせは、こちらからお願い致します。    

≫お問い合わせフォームでのお問い合わせ・ご相談

お問い合わせページへ

≫販売教材に関するよくある質問を掲載しております。

よくある質問ページへ