【問2】意思表示等の問題と解説【2019年(令和元年)宅建士試験】

■□今日の一問一答■□

本日の問題は、民法の「保証債務」の問題となっています。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

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問2:問題(意思表示等)

AがBに甲土地を売却し、Bが所有権移転登記を備えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. AがBとの売買契約をBの詐欺を理由に取り消した後、CがBから甲土地を買い受けて所有権移転登記を備えた場合、AC間の関係は対抗問題となり、Aは、いわゆる背信的悪意者ではないCに対して、登記なくして甲土地の返還を請求することができない。
  2. AがBとの売買契約をBの詐欺を理由に取り消す前に、Bの詐欺について悪意のCが、Bから甲土地を買い受けて所有権移転登記を備えていた場合、AはCに対して、甲土地の返還を請求することができる。
  3. Aの売却の意思表示に要素の錯誤がある場合、Aに重大な過失がなければ、Aは、Bから甲土地を買い受けたCに対して、錯誤による当該意思表示の無効を主張して、甲土地の返還を請求することができる。
  4. Aの売却の意思表示に要素の錯誤がある場合、Aに重大な過失があったとしても、AはBに対して、錯誤による当該意思表示の無効を主張して、甲土地の返還を請求することができる。

問2:解答・解説(意思表示等)

解答・解説に関しましては、宅建士合格広場独自の見解に基づき作成したものとなっています。事前の予告をすることなく変更する場合がございますので予めご了承ください。

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問2は、ほぼ、改正民法関連問題です。2020年(令和2年)宅建士試験からは、改正民法が出題されます。是非、改正民法に対応した当サイト販売の教材で勉強してください。

  1. 正しい
    「詐欺を理由に取り消した後、CがBから甲土地を買い受けて」と記載されていますので、Cは、取消に登場してきた第三者となります。

    ですので、問題文のとおり、AC間は対抗関係!
    詐欺による意思表示の取消しは、その取消後に現れた第三者との関係については、善意・悪意に関係なく登記(不動産の場合)を先に備えた方が「甲土地は自分のものだ!」と主張することができます。
    ※背信的悪意者は、民法177条の第三者に該当しません。つまり、登記なくして勝ち!となります。

    「Cが登記あり!Aが登記なし!」の場合には、甲土地はCのものです。
  2. 正しい
    「詐欺を理由に取り消す前に、Cが、Bから甲土地を買い受けて」と記載されていますので、Cは、取消に登場してきた第三者となります。

    詐欺による意思表示の取消しは、その取消前に現れた善意の第三者には対抗することができませんが、悪意の第三者には対抗することができます。
    ※なお、登記が第三者保護の要件となっていません。
    ※ここは、改正民法要注意です!!

    Cは悪意!と記載されていますので、Cが登記を備えていたとしても、甲土地は、Aのものです。

    ですので、AはCに対して、甲土地の返還を請求することができます。
  3. 正しい
    「要素の錯誤がある+錯誤による意思表示をした者に重大な過失がない」
    これによって、無効となります。

    また、錯誤による無効は、悪意の第三者又は善意の第三者に対抗することができます。

    ですので、Aは、Bから甲土地を買い受けたCに対して、錯誤による当該意思表示の無効を主張して、甲土地の返還を請求することができます。
    ※ここも、改正民法要注意です!!更に肢4も同じ!!!
  4. 誤り
    Aに重大な過失がある!と記載されていますので、無効を主張することができません。

解答:4

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