一般的不法行為
責任能力のある人が、故意又は過失により、他人の権利や法律上保護される利益を侵害する行為(違法性がある行為)により、他人に損害が生じた場合、責任能力のある人が損害賠償の責任を負うことになります。この行為を一般的不法行為といいます。
一般的不法行為の成立要件
- 加害者に責任能力がなければ、不法行為は成立しません。責任能力とは、自分の行為が、違法であり、法律上、何かしらの責任が生じることを理解できる能力のことです。
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【補足】
- 未成年者が、他人に損害を加えたが、自分の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかった場合、その未成年者は、責任無能力者となり、損害賠償の責任を負いません。未成年者だからといって、常に、責任無能力者とはなりません。一般的に12歳位の未成年者が、責任能力があるといわれています。しかし、必ずしも、年齢のみで判断するのではありません。
- 精神上の障害により、自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に、他人に損害を加えた者は、責任無能力者となり、損害賠償の責任を負いません。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、損害賠償の責任を免れないことになります。
- 責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、原則として、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。
ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、またはその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときには、損害を賠償する責任を負いません。
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- 原則、加害者に故意又は過失がなければ、不法行為は成立しません。例えば、不可抗力などの場合には、不法行為は成立しません。
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【補足】
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故意とは、加害者が、他人に損害が加わるだろうと認識しながら行為をすることです。
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過失とは、加害者が、他人に損害を与えることを注意していれば分かるのに、注意をせずに行為をしてしまうことです。
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加害者に故意又は過失があるかどうかは、原則、被害者が、立証する必要があります。
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- 他人の権利や法律上保護される利益を侵害する行為を行っても、その行為に違法性がない場合には、不法行為は成立しません。例えば、違法性がないものとして、正当防衛や緊急避難などがあります。
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【補足】
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正当防衛とは、自己又は第三者の権利や法律上保護される利益を防衛するために、やむを得ず加害行為をすることです。
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緊急避難とは、他人の物から生じた急迫の危難を避けるために、その物を損傷することです。
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- 加害者の故意又は過失に基づく、権利や利益を侵害する行為があっても、被害者側に損害が発生しなかった場合には、不法行為は成立しません。
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【補足】
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損害とは、財産的な損害のみでなく、精神的な損害も含まれます。なお、精神的な損害の賠償のことを慰謝料といいます。
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法人の名誉権が侵害され、金銭評価が可能な無形の損害が生じた場合、法人は、加害者に対して、不法行為による損害賠償の請求をすることができます。
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- 加害者の故意又は過失に基づく、権利や利益を侵害する行為と被害者側の損害との間に因果関係がなければ不法行為は成立しません。
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