教材購入者専用ページ内にありますポイント解説(宅建業法・権利関係編)の一部を掲載しています。
理解を深めるためにも、ポイント解説等をご利用ください。
民法と宅建業法:他人物売買
具体例を使って見ていきます。
Aは、甲土地を所有しています。
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Bは、甲土地をCに売却する契約を締結しました。
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甲土地は、Bのものではなく、Aのものです。 これが、他人物売買となります。
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そもそも、他人物売買って、民法上(一般法)、認められているのか? ここが、問題となってきます。
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民法555条では、 「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」 と規定されています。
当事者の一方(売主)が【ある財産権】を相手方(買主)に移転する!と記載されており、
自分の財産権を移転する!と記載されていませんよね。
つまり、他人物売買も有効!ということになります。
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Aからすれば、 勝手なことをするな!と思いますよね。
そこで、Aは、甲土地の所有権を失うことはない!ということになります。
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そうなると、Cが甲土地を取得できないことになります。
Cからすれば、 他人の物を売るなよ!とBに対して言いたくなります。
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そこで、 Bは、Aから甲土地を取得し、その所有権をCに移転しなければなりません。
また、Bは、Cに対して所有権移転登記をすべき義務を負うことになります。
【参考条文】
民法560条では、「売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。」と規定されています。
民法561条では、「他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。」と規定されています。
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万が一、Cに甲土地の所有権を移転できない!ということになれば、
一般的な債務不履行のルールに従って、契約解除・損害賠償の話がでてきます。詳しくは、テキスト完成版や復習まとめ集ポイント解説でご確認ください。
※なお、一部他人物売買(一部権利)の場合には、売主の担保責任のルールに従って、契約解除・損害賠償等の話がでてきます。 詳しくは、テキスト完成版や復習まとめ集ポイント解説でご確認ください。
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ざっくりと、民法(一般法)の話をしてきましたが、 ここからは、特別法である宅建業法の話を少しだけ見ていきます。
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Bが宅建業者であり、Cが宅建業者でない場合には、 他人物売買はダメ!!ということになります。
※C(買主)が宅建業者であれば、他人物売買も認められます。
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これは、
実際の話、 Aが、甲土地を売りません!と言えば、当然、Cは、甲土地を取得できません。
Bが、客であるC(素人)にリスクがあることを提供してはいけませんよね。
だから、他人物売買はダメ!ということになります。これが、原則です!
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なお、例外があります。
Bが甲土地を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)をAとの間で締結している等の場合、
この場合にまで、他人物売買はダメ!とはなりません。 つまり、他人物売買は認められます。
民法・宅建業法:問題にチャレンジ
以下の問題は、過去問から出題しています。
民法の問題
Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。この場合に関する次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?
売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。
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【解答・解説】
どうでしょうか?分かりましたか??
Aの父親の所有物だったんですよね。
まさしく、他人物売買となります。
他人物売買は、民法上、どうでしたか?
他人物売買は有効!でしたよね。
ですので、本問は、正しい記述となります。
宅建業法の問題
次の記述は、宅建業法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?
宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者でないBが所有する宅地について、自らを売主、宅地建物取引業者Cを買主とする売買契約を締結することができる。
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【解答・解説】
買主であるCが宅建業者です!
つまり、他人物売買も認められます。
ですので、正しい記述となります。
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