具体例を知って理解!主たる債務者が期限の利益を喪失した場合の情報提供義務

■□今日の一問一答■□

本日の問題は、民法の「保証債務」の問題となっています。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

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教材購入者専用ページ内にありますポイント解説(権利関係編)の一部を掲載しています。

理解を深めるためにも、ポイント解説等をご利用ください。

期限の利益を喪失した場合の情報提供義務

ざっくりと意味合いを見ていきます。

そもそも、主たる債務について遅延損害金が発生すれば、保証人も遅延損害金を負担することになります。

ということは、

遅延損害金が増えれば増えるほど、

それに伴って、

保証人が負担しなければ額も増えていくことになります。

これは、

保証人からすれば、めちゃくちゃ焦る話です。

例えば、

主たる債務が10回払い(分割払い)だったとします。

主たる債務者が、毎回、期日どおりに支払っていれば何ら問題ありませんが、

支払いを1回でも怠った、つまり、期限の利益を喪失した!ということになれば、

遅延損害金が発生し、どんどん遅延損害金が増えていきます。

これは、

保証人からすれば、めちゃくちゃ焦る話です。

この状況の中で、

保証人は、「主たる債務者が、ちゃんと期日どおりに支払っているのかどうか?また、支払いを怠っていないかどうか?」を把握することができない場合も当然あります。

仮に、保証人が把握することができず、

さらに、

主たる債務者が支払いを怠っていた!ということになりますと、

遅延損害金が膨大になり、保証人の負担額も膨大になります。

これでは、

保証人がかわいそう!ということで、

問39の規定が用意されています。

つまり、

主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、

債権者は、保証人(個人に限る)に対し、その利益の喪失を知った時から2ヵ月以内に、その旨を通知しなければなりません。

仮に、

その期間内に通知をしなかった!ということであれば、

債権者は、保証人(個人に限る)に対し、期限の利益を喪失した時からその通知を現にするまでに生じた遅延損害金(一定のものを除く)については、請求することができません。 

※上記の( )書きで個人に限る!となっていますので、保証人が法人の場合には、問39の規定は適用されません。

問題にチャレンジ

個人であるAがBのCに対する債務を保証する場合に関する次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?

Bがその有していた期限の利益を喪失した場合、Cは、Aに対し、その旨を通知しなければならない。

解答:正しい

【保証人Aが個人である+主たる債務者Bがその有していた期限の利益を喪失した】ということになりますので、問39の規定が適用されることになります。

つまり、

債権者Cは、保証人Aに対し、その利益の喪失を知った時から2カ月以内に、その旨を通知しなければなりません。

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