【民法】不動産物権変動(取消後の第三者)の問題~宅建士試験に合格しよう

■□問題にチャレンジ■□

民法の意思表示の勉強を終えた方は、意思表示の問題にチャレンジしてください。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

≫問題ページはこちらから

このページに掲載している問題と解説は、宅建士合格広場HPの教材購入者専用ページ内にある確認問題から出題しています。

今回は、民法の不動産物権変動(取消後の第三者)の問題となっています。

不動産物権変動(取消後の第三者)の問題

次の記述は、民法の規定及び判例によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?

A所有の甲土地につき、AとBとの間で売買契約が締結された。AがBにだまされたとして詐欺を理由にAB間の売買契約を取り消した後、Bが甲土地をAに返還せずにCに転売してCが所有権移転登記を備えても、AはCから甲土地を取り戻すことができる。

解答:誤り

取消し後に現れた第三者(C)との関係については、登記を先に備えた方が優先されます。

つまり、CがAよりも先に所有権移転登記を備えていれば、Aは、Cから甲土地を取り戻すことができません。

【補足】

取り消した後に登場した第三者との関係について、具体的に見ていきます。

Aが、Bの詐欺によって、自己所有の甲土地をBに売却し、登記もしました。

※この時点で、甲土地については、B名義の登記がなされています。

その後、

Aは、詐欺を理由に、Bとの売買契約を取り消しました。

取り消しましたので、

Aは、B名義から自分の名義に戻すことができますが、戻していません。

つまり、登記ができるのに放置したままです。

※登記を放置した結果、甲土地については、B名義のままとなっています。

その後、

Bは、Cに対して、甲土地を売却しました。

この場合、

甲土地は、Aのものとなるのか?

それとも、

甲土地は、Cのものとなるのか?

ここが、問題となってきます。

結論から言いますと、

第三者Cは、取消後に登場していますので、

AとCは対抗関係に立ち、先に登記を備えた方が、甲土地の所有権を主張することができます。(善意とか悪意とかは関係ありません)

例えば、Aの方が先に登記を備えたのであれば、甲土地は、Aのものとなります。

例えば、Cの方が先に登記を備えたのであれば、甲土地は、Cのものとなります。

上記の結論に至った理由を見ていきます。(参考程度!)

基本的な考え方から見ていきますが、

Aは、Bとの契約を取り消しました。

取り消したということであれば、

そもそも、A・B間の契約は最初からなかったことになります。

なかったことになりますので、

Bは、甲土地について何ら権利がありません。言い方を変えますと、Bは無権利者となります。

Bが無権利者ですので、

そのBから甲土地を譲り受けたCもまた無権利者となります。(登記には公信力がない!)

その結果、

本来であれば、登記があるかどうかに関係なく、甲土地は、Aのものとなるはずです。

しかし、

Aが契約を取り消して、ちゃんと、B名義から自分名義に戻していたのなら、

Cは、Bから、A名義となっている甲土地を購入しませんよね(Aから購入すればよいのですから・・・)。

また、

「基本的な考え方(甲土地はAのもの)」と「登記を先に備えた方が勝つという結論」が異なりますので、

Aが文句を言いそうですが、ちゃんと、B名義から自分名義に戻していないAは、何も文句を言えませんよね(登記を放置したAの自業自得ですから・・・)。

そこで、

上記の結論のとおり、

登記を先に備えた方が甲土地の所有権を主張することができます。(不公平にならないように登記で勝負!)

販売教材の詳細はこちら

お申込みは24時間・土日・祝日も受け付けております

お問い合わせ

宅建士合格広場から販売している教材に関するお問い合わせは、こちらからお願い致します。    

≫お問い合わせフォームでのお問い合わせ・ご相談

お問い合わせページへ

≫販売教材に関するよくある質問を掲載しております。

よくある質問ページへ