所得税テキスト

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2020年宅建士試験教材

令和2年宅建士試験独学合格

所得税は、個人の所得に対して課税されることになる税金です。なお、所得税のうち、譲渡所得を中心に見ていきます。

所得税の課税主体(誰が課税していくのか)

所得税の課税主体は、国です。すなわち、所得税は、国税となります。

譲渡所得とは

譲渡所得とは、資産を譲渡したことによる所得のことです。その所得に対して所得税が課税されます。所得税のほかに、住民税も課税されることになります。

1.資産とは

譲渡所得の対象となる資産は、土地、借地権、建物等です。

2.譲渡とは

譲渡とは、売買の他、交換、競売、財産分与等、有償であるか、無償であるかは関係なく、所有権等を移転させる一切の行為のことです。

【補足】

  1. 法人に対して譲渡所得の基因となる資産を贈与した場合や法人に対して通常売買される価額(時価)の2分の1未満の価額によって譲渡された場合には、時価で譲渡があったものとみなされます。
  2. 個人に対して、譲渡所得の基因となる資産をその譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額で譲渡し、その譲渡により生じた損失の金額については、譲渡所得の金額の計算上、なかったものとみなされます
  3. 建物等の所有を目的とする土地の賃借権の設定の対価として支払を受ける権利金の金額が、その土地の価額の10分の5に相当する金額を超える場合には、譲渡所得として課税されます。なお、10分の5に相当する金額以下である場合には、不動産所得として課税されることになります。

3.譲渡所得に含まれないもの

事業所得者が、棚卸資産を譲渡したことによる所得は、譲渡所得には該当せず、事業所得となります。

棚卸資産とは、事業所得を生ずべき事業に係る商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産(有価証券及び山林を除きます。)で棚卸しをすべきものとして一定のものをいいます。

 

譲渡所得の計算

譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得(数値がマイナスになると、損失が生じます)

譲渡所得×税率=所得税

譲渡収入金額

譲渡収入金額は、売買代金等の金額となります。

 

取得費、譲渡費用

1.取得費

取得費とは、譲渡することになる土地の購入代金に購入手数料、不動産取得税、購入後の設備費、改良費を加算したものです。

なお、建物の取得費用については、購入代金等の金額から減価償却費相当額を控除した金額となります。

【補足】

取得費が不明な場合には、譲渡収入金額の5%とすることができます。

2.譲渡費用

譲渡費用とは、譲渡するために、仲介手数料等、直接、要した費用です。

 

税率

譲渡所得は、所有期間に応じて、長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれます。

土地建物を譲渡した場合、長期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日現在、所有期間が5年を超えるものの所得のことです。土地建物を譲渡した場合、短期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日現在、所有期間が5年以下のものの所得のことです。

なお、長期譲渡所得の税率と短期譲渡所得の税率は異なります。

【補足】

  1. 所有期間とは、個人がその譲渡をした土地等又は建物等をその取得(建設を含みます)をした日の翌日から引き続き所有していた期間のことをいいます。相続や贈与の場合には、相続や贈与があった日からの所有期間ではなく、被相続人や贈与者の取得日を基準として、短期か長期かを区別していきます。
  2. 土地建物以外の資産の譲渡、例えば、機械の譲渡をした場合、譲渡していく機械の取得日から譲渡する日までの所有期間が、5年以下のものが短期となり、5年超のものが長期となります。

1.長期譲渡所得の税率

所得税の税率は、15%、住民税の税率は、5%となります。
なお、復興特別所得税も課され、復興特別所得税額は、(長期譲渡所得×15%)に2.1%を乗じます。

2.短期譲渡所得の税率

所得税の税率は、30%となり、住民税の税率は、9%となります。
なお、復興特別所得税も課され、復興特別所得税額は、(短期譲渡所得×30%)に2.1%を乗じます。

 

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除

居住用財産を譲渡した場合、譲渡所得(短期も長期も含みます)から、最高3,000万円を控除することができます。この特例の規定を受けるための主な要件は、下記のとおりです。

  1. 「現に自己の居住の用に供している家屋」を譲渡していることか「家屋とともに敷地」を譲渡することか、「以前に居住の用に供していた家屋を居住の用に供しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に譲渡していること。つまり、居住用財産を譲渡していることです。
  2. 配偶者、直系血族、生計を一にする親族、内縁関係者等に居住用財産を譲渡していないこと。
  3. 居住用財産を譲渡した年において、譲渡した居住用財産について、収用等の5,000万円特別控除の規定の適用を受けていないこと
  4. 居住用財産を譲渡した年の前年、前々年において、この特例の適用を受けていないこと。また、居住用財産を譲渡した年の前年、前々年において、「特定の居住用財産の買換え特例」、「居住用財産の買換え等の損益通算及び繰越控除の特例」、「特定の居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けていないこと。

相続した空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除

被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は取壊し後の土地を譲渡した場合、当該家屋又は土地の譲渡所得から最高3,000万円を控除することができます。この特例の規定を受けるための主な要件は、下記のとおりです。

期間の要件

相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に譲渡した場合。

相続した家屋の要件

  1. 相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたもの。
  2. 相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住者がいなかったものであること。
    なお、被相続人が要介護認定等を受け、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたことなどの事由により相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合でも、一定の要件を満たせば、被相続人が相続開始の直前に居住していたものとなります。
  3. 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く。)であること。
  4. 相続時から譲渡時までの間に、事業、貸付、居住の用に供されていたことがないこと。

譲渡する際の要件

  1. 譲渡価額が1億円以下。
  2. 家屋を譲渡する場合(その敷地の用に供されている土地等も併せて譲渡する場合も含む。)、当該譲渡時において、当該家屋が現行の耐震基準に適合するものであること。

特定の居住用財産の買換えの特例

特定の居住用財産を譲渡して、その特定の居住用財産の代わりに、新たな居住用財産を買い換えた場合、譲渡資産の譲渡収入金額が、買換資産の取得価額以下のときには、譲渡した年において課税されなくなり、買い換えた居住用財産を譲渡した年まで、課税が繰り延べられることになります。

それに対し、譲渡資産の譲渡収入金額が、買換資産の取得価額を超えるときには、超える部分について、譲渡所得として、課税されていくことになります。なお、この特例の規定を受けるための主な要件は、下記のとおりです。

譲渡資産の要件

  1. 「現に自己の居住の用に供している家屋」を譲渡していることか「家屋とともに敷地」を譲渡することか、「以前に居住の用に供していた家屋を居住の用に供しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に譲渡していること。
  2. 譲渡対価の額が、1億円以下であること。
  3. 家屋と敷地の両方が、譲渡した年の1月1日において、所有期間が10年を超えていること
  4. 譲渡資産について、譲渡した人による居住期間が10年以上であること。
  5. 配偶者、直系血族、生計を一にする親族、内縁関係者等に居住用財産を譲渡していないこと。

買換資産の要件

  1. 譲渡資産を譲渡した年の前年、譲渡した年、譲渡した年の翌年に買換資産を取得していること。
  2. 譲渡をした年の前年、譲渡した年に買換資産を取得した場合には、譲渡をした年の翌年12月31日までに、買換資産に居住すること。なお、譲渡した年の翌年に買換資産を取得した場合には、取得をした年の翌年12月31日までに、買換資産に居住すること。
  3. 買換資産である家屋の床面積のうち、居住の用に供する部分の床面積が50平方メートル以上であり、敷地の面積が、500平方メートル以下であること。
  4. 買換資産である家屋が、建築後使用されたことのある耐火建築物及び耐火建築物以外の建築物の場合には、築25年以内であること又は新耐震基準に適合していること。
    上記の経過年数等要件を満たさない家屋であっても、その取得期限までに改修等を行うことにより経過年数等要件に適合することとなったときには、経過年数等要件を満たす家屋を取得したものとします。

上記以外の要件

居住用財産を譲渡した年の前年、前々年において、この特例の適用を受けていないこと。

また、居住用財産を譲渡した年の前年、前々年において、「特定の居住用財産の3,000万円特別控除」、「居住用財産の買換え等の損益通算及び繰越控除の特例」、「特定の居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けていないこと。

この続きは、

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