土地区画整理法テキスト

2018年度版フルセット教材は、完売のため、販売を終了させて頂きます。

2018年度版直前答練は、引き続き、販売しております。なお、数に限りがございますので、予めご了承ください。

宅建士試験予想問題

土地区画整理事業

土地区画整理事業とは

土地区画整理事業とは、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るために行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいいます。

【補足】

  1. 土地区画整理事業は、道路、公園、河川などの公共施設を整備をしたり、改善したり、土地の区画を整えようとする事業のことです。

  2. 土地区画整理事業は、都市計画区域内で、行なわれることになります。

  3. 土地区画整理法上の宅地とは、公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地以外の土地のことをいいます。

方法

土地区画整理事業とは、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図ることを目的としています。これらを実現するための方法として、減歩と換地があります

1.減歩

施行地区内の土地の所有者等から、一定の割合で少しずつ、無償で土地を提供してもらうことを減歩といいます。

その提供してもらった土地をかき集めてきて、公共施設を設置等したり、その提供してもらった土地をかき集めてきて保留地として、売却し、その売却代金を公共施設等の事業費の一部に充てたりしていきます。

なお、土地の所有者等は、無償で土地を無償提供し、土地区画整理事業後の宅地面積が減ることになりますが、公共施設の設置等により、利用価値が増えることになります。

2.換地

土地区画整理事業は、道路、公園などの公共施設を整備し、土地の利用増進を図るため、土地の再配置を行っていきます。

土地区画整理事業の施行前の従前の宅地に対して、新しく交付される宅地のことを換地といいます。

 

施行者

土地区画整理事業を施行していくのは、下記のとおりです。

1.個人施行者

宅地について所有権若しくは借地権を有する者又は宅地について所有権若しくは借地権を有する者の同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地について、又はその宅地及び一定の区域の宅地以外の土地について土地区画整理事業を施行することができます。

【補足】

  1. 一人で施行しようとする者には、規準及び事業計画を定め、数人で共同して施行しようとする者は、規約及び事業計画を定め、その土地区画整理事業の施行について、都道府県知事の認可を受けなければなりません。この場合において、土地区画整理事業を施行しようとする者が、その申請をしようとするときは、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなければなりません。

  2. 事業計画には、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区)、設計の概要、事業施行期間及び資金計画を定めなければなりません。

  3. 個人施行者について相続、合併その他の一般承継があった場合において、その一般承継人が施行者以外の者であるときは、その一般承継人は、施行者となります。

  4. 宅地以外の土地を施行地区に編入する場合においては、当該土地を管理する者の承認を得なければなりません。

  5. 個人施行の認可を申請しようとする者は、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地について権利を有する者がある場合、原則、事業計画についてこれらの者の同意を得なければなりません。しかし、宅地について権利を有する者のうち所有権又は借地権を有する者以外の者について同意を得られないとき、又はその者を確知することができないときは、その同意を得られない理由又は確知することができない理由を記載した書面を添えることによって、個人施行の認可を申請することができます。

2.土地区画整理組合

宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができます。

【補足】

  1. 土地区画整理組合(以下、組合といいます)を設立しようとする者は、7人以上共同して、定款及び事業計画を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けなければならない。この場合において、組合を設立しようとする者がその申請をしようとする場合には、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなければなりません。

  2. 組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、7人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができます
  3. 組合設立の認可を申請しようとする者は、定款及び事業計画又は事業基本方針について、施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの3分の2以上の同意を得なければなりません。この場合、同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっているその区域内の宅地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地権の目的となっている宅地の総地積との合計の3分の2以上でなければなりません。

  4. 組合が施行する土地区画整理事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員となります。ただし、未登記の借地権で申告又は届出のない者については、存しないものとみなされ、組合員になることができない。登記があれば、組合員になることができます。

  5. 組合は、法人とします。

  6. 施行地区内の宅地について組合員の有する所有権又は借地権の全部又は一部を承継した者がある場合、その組合員がその所有権又は借地権の全部又は一部について組合に対して有する権利義務は、その承継した者に移転します

  7. 組合が、総会の議決、事業の完成等によって、解散しようとする場合、その解散について、認可権者である都道府県知事の認可を受けなければなりません。この場合において、組合がその申請をしようとするときは、施行地区を管轄する市町村長を経由して行わなければなりません。また、その組合に借入金があるときは、その解散についてその債権者の同意を得なければなりません。

  8. 組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができます。賦課金の額及び賦課徴収方法については、総会の議決を経なければなりません。また、組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができません

3.区画整理会社

宅地について所有権又は借地権を有する者を株主とする株式会社で一定の要件に該当するものは、土地区画整理事業を施行することができます。

【補足】

  1. 公開会社でない会社でなければなりません。

  2. 施行地区となるべき区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が、総株主の議決権の過半数を保有していなければなりません。

  3. 議決権の過半数を保有している者及び株式会社が所有する施行地区となるべき区域内の宅地の地積とそれらの者が有する借地権の目的となっているその区域内の宅地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地権の目的となっている宅地の総地積との合計の3分の2以上でなければなりません。

  4. 規準及び事業計画を定め、その土地区画整理事業の施行について都道府県知事の認可を受けなければなりません。この場合、その認可の申請は、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなければなりません。

  5. 認可を申請しようとする者は、規準及び事業計画について、施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの3分の2以上の同意を得なければなりません。この場合、同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっているその区域内の宅地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地権の目的となっている宅地の総地積との合計の3分の2以上でなければなりません。

4.地方公共団体(都道府県、市町村)

都道府県又は市町村は、土地区画整理事業を施行することができます。

【補足】

  1. 都道府県又は市町村は、土地区画整理事業を施行しようとする場合、施行規程及び事業計画を定めなければなりません。この場合において、その事業計画において定める設計の概要について、都道府県にあっては国土交通大臣の、市町村にあっては都道府県知事の認可を受けなければなりません。

  2. 都道府県又は市町村が施行する土地区画整理事業ごとに、土地区画整理審議会を置かなければなりません。

5.国土交通大臣

国土交通大臣は、施行区域の土地について、国の利害に重大な関係がある土地区画整理事業で災害の発生その他特別の事情により急施を要すると認められるもののうち、国土交通大臣が施行する公共施設に関する工事と併せて施行することが必要であると認められるもの又は都道府県若しくは市町村が施行することが著しく困難若しくは不適当であると認められるものについては自ら施行し、その他のものについては都道府県又は市町村に施行すべきことを指示することができます。

【補足】

  1. 国土交通大臣は、土地区画整理事業を施行しようとする場合においては、施行規程及び事業計画を定めなければなりません。

  2. 国土交通大臣が施行する土地区画整理事業ごとに、土地区画整理審議会を置かなければなりません。

6.独立行政法人都市再生機構

独立行政法人都市再生機構は、国土交通大臣が一体的かつ総合的な住宅市街地その他の市街地の整備改善を促進すべき相当規模の地区の計画的な整備改善を図るため必要な土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができます。

【補足】

  1. 独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社(以下、機構等といいます)は、土地区画整理事業を施行しようとする場合、施行規程及び事業計画を定め、国土交通大臣(地方住宅供給公社で市のみが設立したものにあっては、都道府県知事)の認可を受けなければなりません。

  2. 機構等が施行する土地区画整理事業ごとに、土地区画整理審議会を置かなければなりません。

7.地方住宅供給公社

地方住宅供給公社は、国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあっては、都道府県知事)が地方住宅供給公社の行う住宅の用に供する宅地の造成と一体的に土地区画整理事業を施行しなければ当該宅地を居住環境の良好な集団住宅の用に供する宅地として造成することが著しく困難であると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができます。

 

都市計画事業として行われるか否か

土地区画整理事業は、都市計画区域内で行なわれるものであり、都市計画事業(市街地開発事業)として行われるものと都市計画事業として行われないものに分かれていきます。

1.都市計画事業として行なわれるもの

都市計画事業として行っていく場合には、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域内で行なわれることになります。

上記の全ての施行者が、都市計画事業として行う土地区画整理事業を行うことができます。

2.都市計画事業として行なわれないもの

都市計画事業でないものとして行っていく場合には、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域内のみに限定されず、市街化調整区域内でも行なわれることになります。

全ての施行者のうち、個人、土地区画整理組合、区画整理会社が、都市計画事業でないものとして行う土地区画整理事業を行うことができます。

【補足】

  1. 個人、土地区画整理組合、区画整理会社が施行者の場合、都市計画事業として行なう場合、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域内で行なわれ、都市計画事業でないものとして行う場合、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域内の他に市街化調整区域内においても行うことができます。

  2. 個人、土地区画整理組合、区画整理会社以外の施行者の場合、都市計画事業として行っていくことになります。よって、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域内で行なわれることになります。

換地計画

従前の宅地に対して、誰にどのような換地を割り当てていくのか等を定めていくための計画のことです。なお、その換地計画には、換地設計、清算金、保留地の明細等を定めていきます。

換地計画の認可

土地区画整理事業の施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければなりません。

この場合、施行者が個人施行者、組合、区画整理会社、市町村又は機構等であるときは、その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければなりません。

なお、個人施行者、組合又は区画整理会社が、都道府県知事の認可の申請をしようとするときは、換地計画に係る区域を管轄する市町村長を経由して行わなければなりません。

また、換地計画の内容が事業計画の内容と抵触している場合等には、個人施行者等は、認可を受けることができません。

【補足】

  1. 都道府県、国土交通大臣が施行者の場合、認可は不要となります。

  2. 個人施行者以外の施行者は、換地計画を定めようとする場合においては、その換地計画を2週間公衆の縦覧に供しなければなりません。また、利害関係者は、縦覧に供された換地計画について意見がある場合、その縦覧期間内に、施行者に意見書を提出することができます。

  3. 都道府県、国土交通大臣、機構等が施行者の場合、その施行者は、縦覧に供すべき換地計画を作成しようとする場合及び意見書の内容を審査する場合においては、土地区画整理審議会の意見を聴かなければなりません。

換地照応の原則、例外について

1.原則

換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応(全く同じということではありません)するように定めなければなりません。これを換地照応の原則といいます。

2.例外

宅地の所有者の申出又は同意があった場合、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができます。

この場合、施行者は、換地を定めない宅地又はその部分について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、換地を定めないことについてこれらの者の同意を得なければなりません。

【補足】

  1. 上記の場合、宅地の所有者は、清算金(お金)を取得することになります。

  2. 宅地を使用又は収益することができる権利を有する者の同意が必要となりますので、抵当権者等の同意は不要となります。

清算金

従前の宅地の所有者等に対して、従前の宅地に対して、交付すべき換地の面積が、施行者が指定していた面積と異なる場合や従前の宅地が小さく、換地を交付されても仕方がないので換地を定めなかった場合等、不均衡を解消するために金銭によって清算することとしました。

なお、換地計画において、清算金の額を定めなければなりません

 

保留地

  1. 個人、土地区画整理組合、区画整理会社が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的のため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができます。
  2. 上記1.以外の施行者が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、その土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が、その土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額を超える場合においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、その差額に相当する金額を超えない価額の範囲内で、その土地を保留地として定めることができます。

【補足】

  1. 減歩等によって生じた一定の土地を換地として定めないで、保留地とし、後に、その保留地を売却して、その売却代金を公共施設等の事業費の一部に充てたりしていきます。

  2. 都道府県、市町村、国土交通大臣、機構等が施行者の場合で、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければなりません。

仮換地

公共施設の設置の工事や宅地の区画整理の工事を行なっていくうえで必要となる場合に、従前の宅地の所有者に対して、一旦、従前の宅地から移動してもらわないといけない場合があります。

そこで、換地処分を行なう前に、その所有者のために、その従前の宅地に代えて仮に使用収益することのできる土地を指定することができます。その土地のことを仮換地といい、その土地を指定していくことを仮換地の指定といいます。

そして、仮換地の指定により、その仮換地について、従前の宅地から使用収益する権利が移転することになります。

仮換地の指定

  1. 施行者は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合には、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができます。

    この場合、従前の宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、その仮換地について仮にそれらの権利の目的となるべき宅地又はその部分を指定しなければなりません。

  2. 個人施行者が、仮換地を指定する場合、従前の宅地、仮換地の所有者等の同意を得なければなりません。
  3. 土地区画整理組合が、仮換地を指定する場合、総会等の同意を得なければなりません。
  4. 区画整理会社が、仮換地を指定する場合、施行地区内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの3分の2以上の同意を得なければなりません。

    この場合、同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっているその区域内の宅地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地権の目的となっている宅地の総地積との合計の3分の2以上でなければなりません。

  5. 上記2~4以外の施行者が、仮換地を指定する場合、土地区画整理審議会の意見を聴かなければなりません。
  6. 仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知することにより行なっていきます。

    なお、仮換地となるべき土地について地上権、永小作権、賃借権その他の土地を使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、これらの者に対して、仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければなりません。

    また、従前の宅地についてこれらの権利を有する者があるときは、これらの者に対して、その宅地に対する仮換地となるべき土地について定められる仮にこれらの権利の目的となるべき宅地又はその部分及び仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければなりません。

【補足】

  1. 使用収益権を有する者に対しても通知する必要があります。

  2. 施行者は、仮換地を指定した場合において、その仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることができます。この場合、上記の通知事項に併せて、その旨を通知しなければなりません。

仮換地指定の効果(使用収益開始日を別に定めていない場合)

Aが所有している甲土地に対して、Bが所有している乙土地が仮換地として指定されたとします。このように仮換地が指定された後、甲土地、乙土地を誰が使うことができるのか等の問題があります。これらの問題について見ていきます。

  • 従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者(A)は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地(乙土地)については、使用又は収益をすることができるものとし、従前の宅地(甲土地)については、使用又は収益をすることができません

【補足】

  1. 使用又は収益する権利は、仮換地の指定により、従前の宅地から仮換地に移動することになります。

  2. 仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、Aは、乙土地を使用、収益することができ、甲土地を使用、収益することができません。

  • 使用収益権は、仮換地の指定により、従前の宅地から仮換地に移動することになりますが、所有権は、移動しないことになります。

【補足】

仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日までにおいても、甲土地の所有権は、Aのものです。よって、Aは、甲土地を売却することができたり、甲土地に抵当権を設定することもできます。

  • 仮換地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者(B)は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地を使用し、又は収益することができません

【補足】

  1. 仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、Bは、乙土地を使用、収益することができません
  2. Bが乙土地を使用収益することができなくなったことにより損失を受けた場合、施行者は、その損失を受けた者に対して、損失を補償しなければなりません
  • 仮換地の所有権は、仮換地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者(B)のものです。よって、Bは、乙土地を売却することができたり、乙土地に抵当権を設定することもできます。

仮換地指定の効果(使用収益開始日を別に定めている場合)

その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生の日と別に定めた場合には、下記のようになります。

  • 従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者(A)は、仮換地の指定の効力発生の日と別に定めた収益開始日から換地処分の公告がある日まで、仮換地(乙土地)については、使用又は収益をすることができます。それに対して、従前の宅地(甲土地)については、仮換地の指定の効力発生の日から使用又は収益をすることができません

【補足】

  1. Aは、別に定めた収益開始日から、乙土地を使用収益することができます。
  2. Aは、仮換地指定の効力発生の日から、甲土地を使用収益することができません。
  3. Aは、仮換地指定の効力発生の日から、別に定めた収益開始日までについて、甲土地も乙土地を使用収益することができないようになります。この場合、施行者は、Aに対して、損失を補償しなければなりません。
  • 仮換地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者(B)は、仮換地の指定の効力発生の日と別に定めた収益開始日から換地処分の公告がある日まで、仮換地を使用し、又は収益することができません

【補足】

  1. 仮換地の指定の効力発生の日と別に定めた収益開始日から換地処分の公告がある日まで、Bは、乙土地を使用、収益することができません。

  2. Bが乙土地を使用収益することができなくなったことにより損失を受けた場合、施行者は、その損失を受けた者に対して、損失を補償しなければなりません。

使用収益の停止

施行者は、換地処分を行なう前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基き換地処分を行うため必要がある場合においては、換地計画において換地を定めないこととされる宅地の所有者等に対して、期日を定めて、その期日から、その宅地について使用し、又は収益することを停止させることができます。

【補足】

換地を定めないこととなる者に対しては、上記の仮換地指定による使用収益を停止させることができません。そうなると、公共施設の設置等の工事ができなくなる可能性があります。よって、この規定によって、使用収益を停止させることができます。

仮換地に指定されない土地の管理

使用収益することができなくなった従前の宅地については、使用収益することができなくなった時から換地処分の公告がある日までは、施行者が管理していくことになります。

仮清算金

施行者は、仮換地を指定した場合又は上記「使用収益の停止」の規定により使用し、若しくは収益することを停止させた場合において、必要があると認めるときは、仮清算金を、清算金の徴収又は交付の方法に準ずる方法により徴収し、又は交付することができます。

 

換地処分

従前の宅地の所有者等に対して、従前の宅地に代えて換地を割り当てていき、これに従前の権利を帰属させる処分のことです。

換地処分を行なっていく時期

換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了した後において、遅滞なく、しなければなりません。

ただし、規準、規約、定款又は施行規程に別段の定めがある場合、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する以前においても換地処分をすることができます。

【補足】

  1. 換地処分は、関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知して行なっていきます。
  2. 個人施行者、組合、区画整理会社、市町村又は機構等は、換地処分をした場合、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません。都道府県知事は、その届出があった場合、換地処分があった旨を公告しなければなりません。
  3. 国土交通大臣は、換地処分をした場合、その旨を公告しなければなりません。都道府県知事は、都道府県が換地処分をした場合、換地処分があった旨を公告しなければなりません

換地処分の効果

  • 換地処分の公告があった場合、換地計画において定められた換地は、その公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされるものとし、換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、その公告があった日が終了した時において消滅します。

【補足】

  1. 換地は、公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされます。つまり、従前の宅地の所有者が、換地の所有者となるということになります。

  2. 換地計画で換地を定めていなかった場合、公告があった日が終了した時に、従前の宅地についての権利が消滅することになります。

  • 換地処分の公告があった場合、従前の宅地について存した所有権及び地役権以外の権利等について、換地計画において換地について定められたこれらの権利の目的となるべき宅地又はその部分は、その公告があった日の翌日から従前の宅地について存したこれらの権利の目的である宅地又はその部分とみなされるものとし、換地計画において換地について目的となるべき宅地の部分を定められなかったこれらの権利は、その公告があった日が終了した時において消滅します。

【補足】

従前の宅地について存した所有権及び地役権以外の権利(抵当権、借地権等)についても、換地等に移動することになります。例えば、従前の宅地に抵当権が設定されているとします。そして、換地処分が行なわれると、換地について抵当権が設定されることになります。

  • 施行地区内の宅地について存する地役権は、換地処分の公告があった日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存することになります。ただし、土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった地役権は、換地処分の公告があった日が終了した時において消滅します。

【補足】

  1. 土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった地役権を除き、地役権については、土地のためのものであり、その土地の上に継続して存することになり、換地に移転されることはありません。
  2. 例えば、甲宅地は、道路に接していなかったので、乙宅地に通行地役権を設定してもらっていたとします。しかし、土地区画整理事業の施行、すなわち、公共施設(道路等)の整備等によって、甲宅地に道路が接することになりました。よって、乙宅地に設定してあった通行地役権が不必要となってきます。このような場合、換地処分の公告があった日が終了した時において、その通行地役権が消滅することになります。

  • 換地計画において定められた清算金は、換地処分の公告があった日の翌日において確定します。そして、清算金の徴収、交付が始まっていきます。

【補足】

換地処分の公告があった日の翌日に、不均衡を解消するために徴収、交付されることとなる清算金額が確定していきます。

  • 換地計画において定められた保留地は、換地処分の公告があった日の翌日において、施行者が取得することになります。

土地区画整理事業の施行により設置された公共施設、公共施設用地

1.公共施設の管理

土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、換地処分の公告があった日の翌日において、原則、その公共施設の所在する市町村の管理に属することになります

2.公共施設用地の帰属

土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分の公告があった日の翌日において、原則、その公共施設を管理すべき者に帰属することになります

 

換地処分に伴う登記等

  1. 施行者は、換地処分の公告があった場合においては、直ちに、その旨を換地計画に係る区域を管轄する登記所に通知しなければなりません。
  2. 施行者は、換地処分の公告があった場合において、施行地区内の土地及び建物について土地区画整理事業の施行により変動があったときは、遅滞なく、その変動に係る登記を申請し、又は嘱託しなければなりません
  3. 換地処分の公告があった日後においては、施行地区内の土地及び建物に関しては、上記2の変動に係る登記がされるまでは、他の登記をすることができません。ただし、登記の申請人が確定日付のある書類によりその公告前に登記原因が生じたことを証明した場合においては、この限りでない。

【補足】

  1. 土地について区画整理が行なわれると、土地などについて、地積等が変わってきて、登記を変更していく必要もあります。
  2. 原則、変動に係る登記がされるまで、他の登記をできません。

建築行為等の制限

宅地の区画整理や公共施設の設置等の工事がスタートすると誰でも自由に建築物を建築してしまうと工事がスムーズにいきません。そこで、建築行為等について制限されています。

事業計画の決定等の公告あった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築、重量が5トンを超える物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあっては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあっては都道府県知事(市の区域内において個人施行者、組合若しくは区画整理会社が施行し、又は市が施行する土地区画整理事業にあっては、当該市の長)の許可を受けなければなりません。

【補足】

  1. 事業計画の決定等の公告あった日後、換地処分の公告がある日までの間に制限されます。
  2. 国土交通大臣又は都道府県知事等は、上記の規定に違反した者がある場合においては、これらの者又はこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物又は物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、土地区画整理事業の施行に対する障害を排除するため必要な限度において、当該土地の原状回復を命じ、又は当該建築物その他の工作物若しくは物件の移転若しくは除却を命ずることができます。
  3. 都道府県知事等は、許可の申請があった場合において、その許可をしようとするときは、施行者の意見を聴かなければなりません。

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