時効テキスト

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■□今日の一問一答■□

本日の問題は、宅建業法の「手付貸与等の禁止」の問題となっています。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

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時効

時効には、取得時効と消滅時効があります。

【補足】

  1. 取得時効とは、時効によって権利を取得できる制度です。所有権・用益物権(=地上権、地役権等)・不動産賃借権等が取得時効できます。
  2. 消滅時効とは、時効によって権利が消滅する制度です。

取得時効の成立要件

所有権と所有権以外の取得時効が成立するための要件について見ていきます。

所有権の取得時効が成立するための要件

  1. 20年間所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意無過失以外であるときは、その所有権を取得する。
  2. 10年間所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意無過失であるときは、その所有権を取得する。

【補足】

1.所有の意思をもって占有について

  • 所有の意思をもって占有することを自主占有といい、それ以外は、他主占有といいます。
  • 占有における所有の意思(=自分のものだという意思)の有無は、「占有取得の原因たる事実によって外形的・客観的に定められるべきものである」という判例があります。したがって、土地や建物を借りてきた人は、所有者の土地や建物を借りているという事実が明らかであるので、所有の意思があると認められません。
  • 自分自身が占有することに限定されておらず、他人に占有させることも可能です。

    例えば、AがBの建物を占有していたが、その後、Aは、その建物をCに賃貸し、Cがその建物を占有している。この場合、Cの占有もAがあわせて占有していると考えてもよいことになっています。

  • 最初は、他主占有であっても一定の事実があれば、自主占有となる場合があります。一定の事実とは、例えば、建物の賃借人であった被相続人(他主占有)が死亡して、相続人が、その建物の所有者が被相続人だと思って相続した場合

2.平穏に、かつ、公然と占有について

  • 「平穏に占有」とは、強迫等による占有ではないということです。
  • 「公然と占有」とは、隠匿による占有ではないということです。

3.善意無過失について

  • 善意無過失とは、自分に所有権があると過失なく信じることです。
  • 占有開始時に善意無過失であるときは、その後、自分に所有権がないと知った場合においても、その人は、善意無過失ということになります。

占有の承継があった場合

【例題1】

Aが所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然とC所有の建物を占有していた。その後、Aは、取得時効が成立するまでの間に、その建物の占有者がBに移った場合、Bは、何年で取得時効が完成するのか。(=なお、この例題の大前提は、実際には、その建物の所有者は、CではなくDと考えます)

【解答・手順】

  1. Bは、1人での占有で取得時効を成立させていくのか、Aの占有期間も合わせて取得時効を成立させていくのかは自由に選択できます。
  2. Aの占有期間も合わせて取得時効を成立させていく場合には、Aの事情(悪意・善意・過失の有無)もBに引き継がれることになります。例えば、Aが占有開始時に善意無過失であるときは、Bが占有開始時に善意無過失でなくても、Aの善意無過失がBに引き継がれて10年の占有で取得時効が成立します。

【例題2】

占有開始時に善意無過失のAが所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と5年間、C所有の建物を占有していた、その後、AからBにその建物の占有が移った場合、占有開始時に悪意(=自分に所有権がないと知っていた)のBは、何年で取得時効が完成していくのか。

【解答・手順】

  1. Bは、1人での占有で取得時効を成立させていく場合、占有開始時に悪意なので20年の占有が必要となります。

    しかし、Aの占有期間も合わせて取得時効を成立させていく場合、Aの善意無過失もBに引き継がれるので10年の占有で取得時効が成立します。

  2. したがって、Bは、その建物を5年間占有すると、Aの占有期間と合わせて10年となり取得時効が成立します。なお、この場合においても、Bは、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と占有する必要があります。

【例題3】

占有開始時に悪意のAが所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と5年間、C所有の建物を占有していた。その後、AからBにその建物の占有が移った場合、占有開始時に善意無過失のBは、何年で取得時効が完成していくのか。

【解答・手順】

  1. Bは、1人での占有で取得時効を成立させていく場合、占有開始時に善意無過失なので10年の占有が必要となります。しかし、Aの占有期間も合わせて取得時効を成立させていく場合、Aの悪意もBに引き継がれるので20年の占有で取得時効が成立します。
  2. したがって、Bは、その建物を15年間占有すると、Aの占有期間と合わせて20年となり取得時効が成立します。なお、この場合においても、Bは、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と占有する必要があります。

所有権以外の財産権の取得時効が成立するための要件

  1. 所有権以外の財産権(地上権、地役権、賃借権等)を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、時効期間を起算する起算点において自分が正当な権利者であると信じており、そう信じるにつきに無過失の場合には10年、それ以外は20年でその権利を取得します。
  2. なお、地役権の取得時効を主張するためには、上記の規定に加え、下記の要件も満たす必要があります。

    地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができます。

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◇勉強の流れ◇

 

Step.1:理解して暗記

テキストではなく、覚えるべき論点をまとめた復習まとめ集を覚えます。 単に暗記するだけでは、知識が定着せず、また、民法など一定の問題には対応することができず、理解が必要となります。 そこで、テキスト、ポイント解説、動画解説を使って、復習まとめ集に掲載している論点を理解して頂きます。 なお、テキスト、ポイント解説以上の深入りは禁物です。

Step.2:理解して解く

復習まとめ集に掲載している論点を暗記しているのかどうか?理解しているのかどうか?を確かめる必要があり、また、知識をより一層深めるためにも問題を解く必要があります。 そこで、一問一答問題集と四肢択一問題集を使ってください。 使う順番としては、「一問一答問題集→四肢択一問題集」となります。 問題を解き終われば、問題集上の解説だけでなく、必ず、ポイント解説と動画解説も忘れることなく使ってください。 これでもなお理解できない問題が出てきたときには、テキストやポイント解説などに戻ってください。そして、これでもなお理解できないのであれば、質問をご利用ください

Step.3:復習を毎日継続

知識が定着していない間は、覚えては忘れる! これを繰り返すことになり、勉強が嫌になる理由の一つですが、合格する方は、必ず、これを乗り越えてきます。 ですので、皆さんも、知識が定着するまでは、毎日、復習を継続してください復習まとめ集を使って復習をしてください。そして、2・3日に一度は、問題も解きなおしてください

 

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