【民法】無権代理人の責任の問題~隙間時間を使って宅建士試験に合格

2024年宅建士試験

合格点:37点(5問免除32点)

(合格率:18.6%)

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■□今日の一問一答■□

本日の問題は、民法の「時効」の問題となっています。基本論点から出題していますので、必ず、押さえてください。

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このページに掲載している問題と解説は、宅建士合格広場HPの教材購入者専用ページ内にある確認問題から出題しています。

今回は、民法の無権代理人の責任の問題となっています。

無権代理人の責任の問題(民法)

A(行為能力者)は、Bの代理人として、C所有の土地についてCと売買契約を締結した。この場合に関する次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?

BがAに代理権を与えていなかった場合は、Cは、そのことについて善意無過失であり、かつ、Bの追認がないとき、Aに対して契約の履行の請求又は損害賠償の請求をすることができる。

解答:正しい

善意無過失の相手方Cは、本人Bの追認がなければ、無権代理人Aに対して契約の履行請求又は損害賠償請求をすることができます。

【補足】

無権代理人の責任について見ていきます。

無権代理行為があった!ということであれば、

本人は、追認や追認拒絶ができる!

相手方は、催告や取消し(善意の場合)ができる!

では、

そもそも、悪いことをした無権代理人は何も責任を負わないの?

ここが、問題となってきますが、

以下の要件を満たしたときに、他人の代理人として契約をした者(無権代理人)は、相手方に対して履行又は損害賠償(履行利益の損害賠償)の責任を負います。

  1. 無権代理に該当すること
  2. 本人が追認していないこと
  3. 相手方が、無権代理人との契約を取り消していないこと
  4. 相手方が、代理権がないことにつき善意無過失であること。
    なお、相手方が善意有過失の場合においても、無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたのであれば、無権代理人は責任を負うことになります。
  5. 無権代理人が制限行為能力者に該当しないこと

※履行又は損害賠償となっていますので、相手方は、どちらか1つを選ぶことになります。なお、履行できないものであれば、損害賠償請求のみ可能!ということになります。

※履行利益とは、契約が有効で、契約の履行によって得られたであろう利益のことです。

ー簡単に解説ー

流れに従って簡単に解説します。なお、表見代理については考慮しません。

Aから代理権を授与されていないBは、Aの代理人と偽って、Cとの間で、A所有の建物の売買契約を締結しました。

Bは、代理権を授与されていませんので、Bの行為は、無権代理に該当します。つまり、AC間で売買契約が成立しませんので、

例えば、Cから、「建物を引き渡してくれ!」と請求されても、Aは、建物を引き渡す必要がありません。

Cからすれば、「その建物で生活しようと思っていたのに!生活することができない!!」「その建物で店をだそうと思っていたのに!開店することができない!!」などと思うはずで、Cを保護する必要があります。

本人Aが、追認をすれば、AC間で売買契約が成立することになりますが、Aが追認をしませんでした。

※例えば、Aが追認したのであれば、AC間で売買契約が成立することになりますので、無権代理人Bは、相手方Cに対して履行又は損害賠償の責任を負いません。(相手方Cが、欲しかった建物を手に入れるから、責任を負う必要なし!)

Cが、Bに代理権がないことを知らなかったのですが、善意のCは、Bとの売買契約を取り消しませんでした。

※例えば、CがBとの売買契約を取り消したのであれば、そもそも、Bとの契約自体がなかったことになりますので、無権代理人Bは、相手方Cに対して履行又は損害賠償の責任を負いません。

※Aの建物を購入したかったCからすれば、「なぜ、契約を取り消さないといけないの?勝手なことをしたBが責任をとれ!!」と思うはずです。

例えば、CがBに代理権がないことを知っていた場合、悪意のCは、Bに対して、「責任をとれ!!」と言えませんよね。そもそも、Bと契約を締結するCも悪いですので、Bは、責任を負いません。

また、

CがBに代理権がないことを知らなかったが、知らないことについて過失があったとします。

この場合、

善意有過失のCは、Bに対して、「自分にも落ち度がありましたが、責任をとれ!!」と言えませんよね。(原則)

なお、Cは、善意ですので、Bとの契約を取り消すことができます。しかし、Cが有過失ですので、Bは、責任を負いません(原則)。

上記の結果、

CがBに代理権がないことにつき善意無過失(例外:無権代理人が代理権がないことを知っていれば、Cが善意有過失でもOK!)の場合に、Bに対して責任を追及することができ、Bは、責任を負います。

※過失は、重過失に限定されているわけではありません。

CがBに代理権がないことにつき善意無過失の場合であったとしても、Bは、責任を負わないときもあります。

例えば、Cが、善意無過失ですが、Bが、未成年者です。ここで、民法102条(代理人は、行為能力者であることを要しない。)を思い出してくださいね、

民法117条2項において、「民法117条1項の規定は、他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。」と規定されています。

つまり、相手方であるCよりも、未成年者である無権代理人Bが保護されます。

最後に、

繰り返しになりますが、

以下の要件を満たしたときに、他人の代理人として契約をした者(無権代理人)は、相手方に対して履行又は損害賠償(履行利益の損害賠償)の責任を負います。

  1. 無権代理に該当すること
  2. 本人が追認していないこと
  3. 相手方が、無権代理人との契約を取り消していないこと
  4. 相手方が、代理権がないことにつき善意無過失であること。
    なお、相手方が善意有過失の場合においても、無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたのであれば、無権代理人は責任を負うことになります。
  5. 無権代理人が制限行為能力者に該当しないこと

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