このページに掲載している問題と解説は、宅建士合格広場HPの教材購入者専用ページ内にある確認問題から出題しています。
今回は、民法の保証債務の問題となっています。
保証債務の問題(民法)
個人であるAがBのCに対する債務を保証する場合に関する次の記述は、民法の規定によれば、正しいですか?それとも、誤っていますか?
Bがその有していた期限の利益を喪失した場合、Cは、Aに対し、その旨を通知しなければならない。
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解答:正しい
【保証人Aが個人である+主たる債務者Bがその有していた期限の利益を喪失した】ということになりますので、
債権者Cは、保証人Aに対し、その利益の喪失を知った時から2カ月以内に、その旨を通知しなければなりません。
【補足】
上記の問題の解答根拠となった下記の規定を見ていきます。
~条文~ 主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から2ヵ月以内にその旨を通知しなければならない。その期間内に通知をしなかったときは、債権者は、保証人に対し、主たる債務者が期限の利益を喪失した時から通知を現にするまでに生じた遅延損害金に係る保証債務の履行を請求できない。 この規定は、保証人が法人である場合には、適用されない。 |
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そもそも、
主たる債務について遅延損害金が発生すれば、保証人も遅延損害金を負担することになります。
ということは、
遅延損害金が増えれば増えるほど、
それに伴って、
保証人が負担しなければ額も増えていくことになります。
これは、
保証人からすれば、めちゃくちゃ焦る話です。
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例えば、
主たる債務が10回払い(分割払い)だったとします。
主たる債務者が、毎回、期日どおりに支払っていれば何ら問題ありませんが、
支払いを1回でも怠った、つまり、期限の利益を喪失した!ということになれば、
遅延損害金が発生し、どんどん遅延損害金が増えていきます。
これは、
保証人からすれば、めちゃくちゃ焦る話です。
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この状況の中で、
保証人は、「主たる債務者が、ちゃんと期日どおりに支払っているのかどうか?また、支払いを怠っていないかどうか?」を把握することができない場合も当然あります。
仮に、保証人が把握することができず、
さらに、
主たる債務者が支払いを怠っていた!ということになりますと、
遅延損害金が膨大になり、保証人の負担額も膨大になります。
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これでは、
保証人がかわいそう!ということで、
上記の規定が用意されています。
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つまり、
主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、
債権者は、保証人(個人に限る)に対し、その利益の喪失を知った時から2ヵ月以内に、その旨を通知しなければなりません。
仮に、
その期間内に通知をしなかった!ということであれば、
債権者は、保証人(個人に限る)に対し、期限の利益を喪失した時からその通知を現にするまでに生じた遅延損害金(一定のものを除く)については、請求することができません。
※上記の( )書きで個人に限る!となっていますので、保証人が法人の場合には、上記の規定は適用されません。
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