営業保証金制度は、消費者保護の観点から、不動産取引の相手方が、万が一損失を受けた場合においても、その相手方に対して、その損失を弁済できるようにするための制度です。
相手方に損失を弁済できるようにするために、宅建業者が、あらかじめ、金銭や有価証券などの営業保証金を供託所に預け、その預けたものから、相手方に対して、弁済していきます。
営業保証金の供託
1.営業保証金はどこに供託するのか
宅建業者は、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければなりません。
【補足】
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2.営業保証金を供託する額
主たる事務所については、1,000万円で、それ以外の事務所については、事務所1カ所ごとに500万円となります。
【補足】
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3.営業保証金は、どのような方法で供託するのか
- 金銭のみで供託していく方法
- 国債証券、地方債証券、政府保証債証券、その他の国土交通省令で定める有価証券のみで供託していく方法
例えば、1,000万円を金銭のみで供託する場合、1,000万円のお金を支払えばいいのですが、有価証券については、有価証券の評価額で、供託すべき営業保証金の額を見ていくことになります。なお、評価額は、下記のとおりになります。
①国債証券⇒額面金額
②地方債証券、政府保証債証券⇒額面金額の90%
③一定の有価証券(手形、小切手、株券は除く)⇒額面金額の80%例えば、主たる事務所のみがある宅建業者の場合、宅建業者は、1,000万円の営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。国債証券のみで供託していく場合、額面金額1,000万円のものを供託する必要があります。
また、地方債証券のみで供託する場合、額面金額1,000万円のものを供託しても上記2の規定に違反することになります。
なぜなら、地方債証券の評価額は、900万円(1,000万円の90%)となり、100万円が不足するからです。また、その他の国土交通省令で定める有価証券のみで供託する場合にも、額面金額1,000万円のものを供託しても上記2の規定に違反することになります。
その他の国土交通省令で定める有価証券の評価額は、800万円(1,000万円の80%)となり、200万円が不足します。
- 金銭と有価証券をあわせて供託していく方法
例えば、主たる事務所のみがある宅建業者の場合、宅建業者は、1,000万円の営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。
この場合、例えば、金銭500万円と額面金額500万円の国債証券を供託することができます。
また、金銭100万円と額面金額1,000万円の地方債証券を供託することができます。
また、200万円の金銭と額面金額1,000万円のその他の有価証券を供託することもできます。
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